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ストレートチップとは?格式が高い革靴について解説!
革靴には、ストレートチップと呼ばれるものがあります。スーツにも正礼装などの格式があるように、革靴にも同じく格式があり、特にかしこまった場において用いられています。そこで今回は、革靴におけるストレートチップがどんなものなのかや使い分け、種類などを解説します。
目次
ストレートチップの意味とは
革靴と言えば、革が使用されていて紐で結ぶタイプのフォーマルな靴というイメージが強いかもしれません。その中でも詳しく見てみると、靴のつま先の部分に切り替えのデザインが施されているものがあります。
この切り替えが横一文字、つまりストレートに刻まれているものが、革靴におけるストレートチップになります。見た目が帽子を被せているように見えることから、キャップトゥと呼ばれることもあります。
革靴のつま先のデザインについては実は多くの種類が展開されているのですが、中でもこのストレートチップについては格式が高いものとなっていて、フォーマルな冠婚葬祭等ではよく用いられます。
ストレートチップの羽根の型の種類
スーツにもドレスコードの中で格式が設けられているように、ストレートチップがフォーマルな靴である事が分かりました。革靴のフォーマルさは靴先のデザインのみで決まるわけではなく、羽根の型の種類も重要になっています。
種類①内羽根式
まずは、内羽根式というものになります。靴ひもを通すための穴が開いている部分の革のことを羽根と呼ぶのですが、この羽根が甲革、つまりアッパーの部分に入り込んでいるものを内羽根式と呼びます。
元々は英国のヴィクトリア女王の夫であるアルバート公によって考案されたと言われていて、王室が由来ということになります。上品さを感じさせるこの内羽根式は、フォーマルな場においても多く用いられてきました。
特に今回ご紹介している格式の高いストレートチップに上品な内羽根式という組み合わせは、冠婚葬祭の場において最もふさわしいと言われているほどです。服装やコーディネートで失敗したくない場合には、基本内羽根式の靴を選択すると間違いないでしょう。
種類②外羽根式
内羽根があるのに対して、外羽根式も存在しています。先に挙げた内羽根式の革靴の場合には羽根がアッパー側に入り込んでいる形でしたが、入り込むのではなく上に乗っているのを外羽根式と呼びます。
内羽根式が王室を発祥としているとされているのに対し、こちらは軍靴をルーツに持っているとされます。1815年に起こったワーテルローの戦いの中で、当時のプロシアの軍隊が着用していたと言われます。
軍で用いられていた靴らしく、着脱が容易にできフィット感も高い、機能性も優れているといった点が特徴です。一般市民用の靴にも広がっていて、現在では営業用など歩き回る場合に最適です。
ストレートチップの選び方
基本的にストレートチップは格式が高いものですので、かしこまった場所で使用する特別なものというのは間違いありません。ただ、コーディネートに合わせるのであれば適した選び方というものがあります。
選び方①切り替え部分の装飾
まず、切り替えの部分の装飾を見てみましょう。ストレートチップにおいては切り替え部分の装飾によって印象が左右される部分があり、例えばブローグという穴飾りの置い者だとカジュアルな装いにマッチする靴になります。
より華やかなデザインをお求めであるのならば、ギンピングの施されているものがおすすめです。革の淵をギザギザにカットしているもので、よりブローグが際立って見えるのでお洒落になります。
さらに細かいお洒落を足元から楽しみたいのなら、縫い目部分にも注目してみましょう。ダブルステッチやトリプルステッチなどの種類があり、バリエーションも豊富です。
選び方②目的に合ったカラーやデザイン
続いては、目的に合致しているかどうかです。冠婚葬祭と一口に言っても出席する式の内容や雰囲気はそれぞれで違っていますので、雰囲気とコーディネート全体を崩すことのないカラーやデザインを選択するべきです。
例えばビジネスであればブラックやブラウンが定番ですし、ブラックカラーのストレートチップは様々な場面でマッチします。ダークブラウンなどの明るめのカラーは、カジュアルな結婚式や披露宴等で使用できます。
選び方③ソールの種類
革靴に使われているソールは、レザーとラバーという2種類に分けられます。フォーマルな場面で使用するのがメインであればレザーソールが向いていて、見た目もスタイリッシュで履いた分だけ脚になじんでいきます。
対してラバーソールは、実用性を重視する場合にお勧めできます。滑りにくさや防水性の高さなどといった機能性が優れているのが特徴的で、雨の日などでも使うビジネスシーンにマッチします。
ストレートチップの履きこなし術
スーツと靴との組み合わせは様々ですが、それだけコーディネートの仕方が多く存在しているのを意味しています。ここからは、実際にストレートチップを使ったコーディネート例をいくつかご紹介しましょう。
履きこなし術①チェックシャツ×ニットタイのジャケパンスタイルに
まずは、チェックシャツにニットタイのジャケットパンツスタイルとの組み合わせです。チェックシャツとニットタイの洒落ているカジュアルさのあるドレスダウンでも、足元をストレートチップで引き締められます。
履きこなし術②ダークネイビーのスリーピーススーツに
続いては、ダークネイビーのスリーピーススーツとのコーディネートです。内羽根のストレートチップをフォーマルかつお洒落なスリーピースのスーツに組み合わせることで、全体がベーシックでありつつも個性を出せます。
履きこなし術③ストライプのワイシャツ×ペインターパンツに
ペインターパンツにストライプのワイシャツという、ラフな格好にもストレートチップは合わせられます。ゆったりとした組み合わせではありますが、足元に革靴を選択することで印象を引き締めています。
ストレートチップ以外の革靴のデザインは?
革靴のデザインは様々存在しているとご紹介している通り、ストレートチップも数あるデザインの中の1つです。最後に、それ以外の革靴のデザインについてもご紹介していきましょう。
デザイン①プレーントゥ
まずはプレーントゥというデザインになります。こちらはストレートチップにあったような横一文字の切り替えなどがつま先に存在しておらず、シンプルで装飾性があまりないデザインになっています。
その分どのような場においても馴染むデザインとなっていて、フォーマルなシーンにおいてもストレートチップと並んで用いられます。且つ、ストレート程の引き締める印象はあまりないので、カジュアルな場面でも使えます。
デザイン②ウィングチップ
続いては、ウィングチップですs。ストレートチップの切り替えはつま先に横一文字が入っていましたが、こちらは「W」のように切り替えが形成されているという点が特徴的になります。
また、切り替えのつま先にメダリオンと呼ばれる穴の装飾が加えられている部分も特徴となっていて、クラシカルでお洒落なスタイルになりますのでどちらかというとカジュアルな場面で用いやすい靴になります。
デザイン③Uチップ
Uチップは、名前の通りつま先の切り替え部分がUの字になっています。元をたどっていくと漁業や土木作業といった第一次産業、狩猟などの労働者が使用してきた歴史背景が見られています。
故に頑丈な設計になっている靴が多く、かつプレーントゥなどとも比べて装飾性が高くなっているのでシンプルめなコーディネートにもマッチさせられます。
デザイン④タッセル
これまでご紹介してきたデザインは靴のつま先部分の装飾の有無に関するものでしたが、タッセルというのはつま先の切り替えではなく革靴のアッパー、つまり甲革の房飾りを指します。
特にローファーなどにはタッセルが採用されている事が多いのでよく見られ、ローファー自体がカジュアルなタイプのアイテムですのでフォーマルシーンでは用いられません。ただし、ビジネスカジュアルやクールビズなどでは見られる事もあります。
デザイン⑤モンクストラップ
最後は、モンクストラップになります。こちらは革靴の内側から伸びているベルトをバックルによって留め、サイズの調整が行えるのが特徴的です。1本のベルトならシングル、2本あればダブルモンクストラップと呼ばれます。
留め方がバックルとベルトによって行われる関係上靴紐が存在していませんのでシンプルな印象がある一方、金属のバックルが付いているので装飾性があります。ビジネスカジュアルのスタイルではマッチするでしょう。
幅広く着用できるストレートチップを履きこなそう
ストレートチップは、冠婚葬祭をはじめとしたフォーマルなシーンからカジュアルなシーンまで、幅広くコーディネートにマッチさせられる汎用性があります。是非とも履きこなしてみてください。