2020/08/11

時計技術最高峰「トゥールビヨン」とは?仕組みや種類・価格を徹底解説!

時計界の三大複雑機構のうちの一つとされる「トゥールビヨン」。「時計の進歩を200年早めた男」「時計界のレオナルド・ダ・ヴィンチ」と称される天才時計技師アブラアム=ルイ・ブレゲにより発明されました。

時計界に革命をもたらした「パーペチュアルカレンダー」「ミニッツリピーター」などと並び、時計愛好家の代名詞と呼ばれています。顧客にはなんとあの「マリー・アントワネット」もいたほどです。

名前は聞いたことはあるけれども、その内部の仕組みまでは詳しく知らないという方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、トゥールビヨンの魅力に深く迫っていきたいと思います。きっとあなたも、その世界に魅了されることでしょう。

時計技術最高峰「トゥールビヨン」とは?

トゥールビヨンはフランス語で「渦」という意味です。その名の通り渦を巻くように回転することが由来です。機械式時計の弱点であった重力による誤差を極限まで排除した機構、もしくはそれを採用した時計のことを指します。一言で説明すると「回転により姿勢差をなくし、精度を保つ仕組み」のことです。

「ツールビロン」「タービロン」とも呼ばれ、1800年代にフランス人の天才時計技師アブラアム=ルイ・ブレゲによる発明とされています。20世紀後半においては「世界でも制作出来る職人は10人に満たない」ほどで、限られた時計技師が数百個のパーツを組み上げて織りなす芸術作品のようなデザインウォッチです。

アブラアム=ルイ・ブレゲは生まれ育ったヌーシャテル(スイス)を10代で離れ、時計職人としての修行を積むためヴェルサイユ、そしてパリに赴きます。1775年に、大修道院長のジョセフ=フランソワ・マリーの助力により、パリのシテ島で自身の名前を冠した「ブレゲ」という時計メーカーを設立しました。

そして彼は若きブレゲを庇護し、フランス王室に紹介します。フランスの貴族たちは瞬く間にブレゲの顧客となります。フランス革命が勃発し、フランスに不穏な空気が漂う中、彼はフランスを去ることを余儀なくされますが1795年に戻り、時計製造業を再開させます。

ブレゲがトゥールビヨンの特許を取得したのが1801年6月26日。以降ブレゲ社では、6月26日を「トゥールビヨン・デイ」と称したブランドの記念日としています。

トゥールビヨンの内部の仕組み

 

ブレゲは、時計製造の原理の向上に貢献したことですでに広く知られ、さらに多くの革新を達成していきます。キーやその他の外的作用の助けを必要としない、自ら巻き上げる時計の実現に向けて意欲的に取り組みました。

トゥールビヨンの内部の仕組みはどうなっているのでしょうか。正確な時間を刻むという機能だけであれば電波時計やクウォーツの方が良いのですが、機能だけでなく見た目にも美しいのが機械式時計です。

機械式ムーヴメントに使われるヒゲゼンマイは重力の影響から姿勢の違いで精度に差が生じます。この姿勢差を、常にヒゲゼンマイを様々な姿勢になるように動かして平均化しようというのがトゥールビヨンの考え方です。

そのためトゥールビヨンではヒゲゼンマイを含むテンプ、アンクル、ガンギ車などの脱進機と調速機をキャリッジ(カゴ状のパーツ)の中にまとめ、同時にキャリッジを強制的に回転させることで姿勢差による精度の差を平均化させています。

キャリッジは重量バランスがとれていないとまともに回転せず、高度な調整技術で初めて機能することから熟練した職人の技術を要します。この超複雑機構は「時計の中にある小さな宇宙」とまで言われるほどです。

トゥールビヨンの種類

そんな複雑機構のトゥールビヨンですが、近年では様々な進化を遂げています。
基本的なものから超絶技巧まで、各メーカーが研究・開発にいそしむトゥールビヨンをご紹介していきます。

種類①ノーマルトゥールビヨン

ノーマルトゥールビヨンは、通常の機械式時計では固定されている「ガンギ車やアンクル」と「テンプ」を特殊なキャリッジに収め、キャリッジそのものを回転させてブリッジで固定しています。つまり、ここで機械のパーツにかかる重力を平均化し姿勢差を解消する、という昔ながらの手法です。

種類②フライングトゥールビヨン

 

フライングトゥールビヨンとは「押さえる部品」であるブリッジをなくし、キャリッジが浮いているように見える機構のことです。フライング(flying/浮いている)というワードが入るのも頷けるところです。より視覚的な面白さを与えるタイプで、トゥールビヨンのダイナミックな動きを視覚的に伝えやすい機構といえます。

これは1989年以降にブランパンが広めたトゥールビヨンの派生であり、かつてはその強固さに懐疑的な意見もありましたが、現在は多くのメーカーが採用するに至っています。トゥールビヨンの動きがもっとよく見えるように開発されたデザインです。

ブリッジを完全になくしたものから一本にしたもの、ブリッジを細かくしてパッと見ただけでは分からなくしたものなど各ブランドによって工夫があります。

いずれもブリッジで支えられたキャリッジより均衡が崩れやすいため、キャリッジ自体を軽くしなければなりません。技術の難易度が格段に上がります。

種類③ジャイロトゥールビヨン

 

ジャイロトゥールビヨンとは、時計界屈指の職人集団「ジャガールクルト」が開発した世界初の3D球体トゥールビヨンのことです。多軸トゥールビヨンと呼ばれるものの一つで3次元キャリッジによってガンギ車やアンプを回転させているのですが、この球体にするという技術の難易度の高さは凄まじいものです。

ただキャリッジを3Dにするだけでなく、調速機構自体もそれに合わせて映える仕上がりになっているところが凄いところです。精度を狂わせないように、この機構を組み立てなくてはなりません。

立体的に球体キャリッジが回転することにより重力の影響を最小化するだけでなく、目で見ても美しい仕上がりです。素材に軽量で強度が高いアルミニウムなどを使用している点なども特筆すべき点といえます。

トゥールビヨンの価格相場

世界三大複雑機構のトゥールビヨンです。製造には多大なコストと職人の熟練した技術を要することから、決して安い値段では手に入りません。新品だと1,000万円のモデルも珍しくなく、中古でも数百万円はくだらないです。

ジャイロトゥールビヨンの超高額帯のモデルだと4,000万円を超えるそうです。その複雑さを物語っていますね。

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トゥールビヨンの超高級モデル5選

トゥールビヨンを搭載している超高級モデル5選をご紹介します。

オーデマ・ピゲ ジュールオーデマ 26083BC.ZZ.D102CR.01

世界三大時計の一つ”オーデマ・ピゲ”。ブランド創業者の名前を冠したコレクション「ジュール・オーデマ」。ホワイトゴールケースにはマザーオブパールを使用した文字盤と、ベゼルには2.4ct、ケースには4.4ctものダイヤモンドがセッティングされています。

手巻きのキャリバー2889を搭載した、パワーリザーブ72時間とクロノグラフを備えています。トゥールビヨン搭載の最高級のモデルです。

 

ロジェ・デュブイ エクスカリバー RDDBEX0471

ダブルフライングトゥールビヨンは、ロジェ・デュブイの代表的なシグネチャーであり視覚的マジックと技術的性能を完璧にブレンドしたものです。

ダブルフライングトゥールビヨンを開発したロジェ・デュブイは、マニュファクチュールの希少な得意分野として評価の高い技術的、デザイン的熟練を見事に表現する唯一のブランドです。

 

ウブロ クラシックフュージョン 505.JX.0120.RT.YOS18

クラシックフュージョンからトゥールビヨンサファイア「505.JX.0120.RT.YOS18」。YOSHIDA SPECIALのため限定本数28本と希少価値の高いモデルです。サファイアクリスタルケースのラバーベルトでまとめられております。

 

ハリー・ウィンストン オーシャン プロジェクトZ5 OCEATG45ZZ001

2004年にスタートしたハリーウィンストンの「プロジェクトZ]。このコレクションは、革新的な技術と伝統的な技術を融合させて作る最高の時計を目的として作られました。

2008年に発表され、プロジェクトZシリーズの5作目である「Z5」は、宇宙航空業界で使用されている特殊金属のザリウムが使用されており、トゥールビヨンとデュアルタイムが一つになった世界を舞台に活躍するエグゼクティブに向けられて作られた一本。

クラシックながらもエレガントなフォルムと、超高性能なメカニズムが存分に味わえるこの贅沢な時計は、世界150本限定生産となっています。

 

カルティエ タンク アメリカン W2620008

ジュネーブシール取得のキャリバー9452MCを搭載した「タンクアメリカン フライングトゥールビヨン」。ギョーシェ彫りを施したダイヤルでインデックスやロゴが浮かび上がった立体的な仕様になっています。

通常のトゥールビヨンとは異なり、浮いているように見えるため「フライング」と呼ばれています。内部構造も異なりますが、トゥールビヨンの仲間なのは間違いありません。

 

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トゥールビヨンの200万円以下で手に入るモデル2選

憧れのトゥールビヨンがなんと200万円以内で手に入るモデル2選をご紹介します。価格はリーズナブルでももちろん本物。なぜこのような価格が実現したかというと、製造におけるオートメーション性能がアップし大幅に作業効率が上がったことが理由として挙げられます。

タグホイヤー カレラ キャリバー CAR5A8W.FT6071

2016年バーゼルワールドで大注目を浴びたフライングトゥールビヨン搭載モデルです。通常トゥールビヨンは数百万円〜数千万円が当たり前ですが、こちらのモデルはコストを徹底的に見直すことによりトゥールビヨン搭載モデルでありながら、非常に安価な価格設定となっております。

ブラックカラーで搭載されたカラーリング、ケースはチタン製で軽く、ベゼルにはカーボンが採用されています。既存のカレラとは全く異なる雰囲気の一本で、よりスマートにどんな場面でもお使いいただけます。

 

メモリジン トランスフォーマー限定モデル バンブルビー

トランスフォーマー限定モデル バンブルビー

映画「トランスフォーマー」とコラボレーションしたスペシャル限定モデルです。100本のみ製造されましたが、海外ではもうSOLDOUTとなっていて手に入れることは出来ません。

しかしメモリジン本社が、日本で一本のみ提供してもらうことを約束しました。トゥールビヨン搭載の手巻き時計で、裏スケルトンになっており美しいムーヴメントを堪能することが出来ます。日本でこのモデルのオーナー様になれるのは只一人です。

 

トゥールビヨンの20万円以下の低価格モデル3選

時計製造技術が進歩したことで、機械により加工精度の高いパーツを作ることが比較的容易になり製造コストを大幅に抑えたトゥールビヨンが登場しました。20万円以下の破格のトゥールビヨンの3選をご紹介します。

Agelocer トゥールビヨン ACL:9004A1

40 mm(1.57インチ)のシンプルなクリーンダイヤル、プラチナメッキの鋼の針、トゥールビヨンダブル時計仕掛けのムーブメント。

ハイグレードサテンブラッシュドポリッシュ仕上げにより、並外れた機械的魅力を明らかにします。バンドはイタリアの牛革レザーストラップ、手作りのオイルエッジを組み合わせて柔らかくし、快適で耐久性があります。

 

GALLUCCI 手巻きトゥールビヨン WT23702TU

天体図の一つ「ガルーチ」にインスパイアされ、イタリアで創造された時計ブランドです。ガルーチの提案するデザインモチーフは有名ブランドの良いとこどりという感じで、比較的低価格の商品展開をしています。

日本上陸当初、トゥールビヨンを一般入手可能な金額で時計市場に送り込み、時計ファンの度肝を抜いたと言われています。トゥールビヨンを制作するのは時間はもちろんコストもかかるので、中国に本拠を置くシーガル社を筆頭にしたトゥールビヨン・エボーシュからムーヴメントを納入して、独自のフィニッシュを施しオリジナルで販売しました。

 

JOHNNYROGER フライングトゥールビヨン meister

OHNNYROGERのトゥールビヨンウォッチは全て自社デザイン。トゥールビヨンの魅力をより多くの人に知ってもらうことを目標に、より良い品質、デザイン、サービス、価格を徹底的に追求しているブランドです。

最高峰の技術を要するトゥールビヨンだからこそ、高いクオリティーコントロールを実現しています。トゥールビヨンの魅力をより多くの人々に伝えるために、業界最安な価格挑戦を続けています。

 

一度は手にしたい時計技術最高峰のトゥールビヨン

長い時計の歴史に君臨する伝統あるトゥールビヨン。パフォーマンスに留まらず、ステータスを表す腕時計の最高峰に位置付けられています。だからこそ本物志向の一流の間で話題に上がり、付けていれば一目置かれるのでしょう。

実際に目にしたことのある人は少ないかもしれませんが、近年の機械技術の向上により私たちの手元を彩ってくれる日がくるかもしれません。多くの時計技師、時計愛好家を虜にしてきた精密精緻で美しい世界。芸術作品のような美しいトゥールビヨンは腕時計の存在感を一段と高めてくれます。

身に付けたら、ずっと眺めていたい存在になるでしょう。自分をランクアップさせたいという方は、ぜひ検討されてみてはいかがでしょうか。

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