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「ご高覧」の意味とは?正しい使い方と注意を解説!

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「ご高覧」という言葉を耳にしたことはありますか。ビジネスシーンで多く使用される言葉ですが、しっかりと意味を理解し適切な場面で使えると、印象アップにつながります。この記事では「ご高覧」にはどのような意味があるか、正しい使い方などをご紹介します。類語や対義語も同時に紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

「ご高覧」の意味とは?

「ご高覧」は「ごこうらん」と読みます。まず「高覧」には「他人が見ることを敬う」意味があります。高覧に尊敬語の説頭語である「ご」をつければ、より尊敬を表す言葉として成り立ちます。相手のことを最大級に敬っている言葉です。

日常生活の中では、あまり使用される機会がないかもしれません。ですが、ビジネスの場では覚えておくと役に立つ言葉です。ふとしたときに使えると「正しい日本語を使っている方だな」と、礼儀正しさや敬意が相手に伝わります。

「ご高覧いただく」は「ご覧いただく」の丁寧表現

「ご高覧いただく」をシンプルな日常会話で説明すると「見てください」という言葉に変えられます。「見てください」を尊敬語で表すと「ご覧いただく」に言い換えることができます。「ご覧いただく」や「ご覧ください」は仕事上でも頻繁に使う言葉でしょう。それをさらに丁寧な表現で言えるのが「ご高覧いただく」になるのです。

「ご高覧」のビジネスシーンでの使い方

意味を理解したところで、実際にビジネスの場でも積極的に使っていきましょう。プライベートでは気ごころを許した仲間同士のため、あまり使う場面がないはずです。

しかし、ビジネスにおいてでは、目上の方や重役の方と話す機会に敬意として正しい使い方ができるようマスターしてください。使うときには注意しておきたいポイントもあるので、一緒に覚えておきましょう。

使い方①文章の中で使用する

実際に声に出して使ってみると、大げさすぎる表現かな?という印象から「ご覧ください」の方が頻繁に使用されています。基本的には文章の中で使用される書き言葉です。取引先の重役や自分の上司などにメールや郵便物を送る機会は多いでしょう。

その際に「ご高覧ください」と、一言添えるだけで印象がグンとアップします。正しい使い方でありながら、自分のことを敬ってくれているという敬意が伝わりやすいです。また、就職活動の際の履歴書を送る時にも使うことができます。

使い方②上司や目上の方に対して使う

使い方①でも述べたように、実際に口で言うのは少し堅苦しい雰囲気があります。しかし使い方は間違っていないので問題はありません。主に職場で上司や目上の方に、目を通してほしいという意思を敬意とともに伝える方法です。

ですが、普段から接点のある身近な上司に使用すると不自然さを感じてしまうのも事実です。使うときは相手との距離感や役職等で「ご覧ください」なのか「ご高覧ください」の方が良いのか、使い分けると良いでしょう。

使い方③単独では使わない

単独で「ご高覧」だけを言葉で発したり、文章で使うことはありません。名詞なので、他の言葉を組み合わせて使いましょう。あとに続くのは「ください」もしくは「いただく」がベターです。「賜る」や「供する」なども丁寧な言葉使いで良いです。二重敬語にはなりませんので、覚えておいて損はないでしょう。

「ご高覧」を使った例文集

実際の例文集を見ていきましょう。具体的な例文を覚えておけば、営業先や取引先、職場でもパッと使用することができ、場面に合わせて応用することも可能です。依頼する場面やお礼する場面は、どのような仕事でも多数あることなので、活用できるようにしましょう。

例文①何かを依頼する場合

  • 資料をお送りいたします。お忙しいところ恐縮ではございますが、ご高覧いただきますようお願い申し上げます
  • 先日ご指示いただいた履歴書をお送りします。ご高覧賜りますよう、何卒宜しくお願い申し上げます
  • 先日の打ち合わせでは貴重な時間を過ごせたことにお礼申し上げます。打ち合わせ内容は同封の資料をご高覧ください
  • 先日の謝恩会での写真をお送りします。何卒ご高覧くださいませ
  • 会議内容をまとめたデータを、メールに添付いたしました。ご高覧いただけますと幸いです

何かを依頼するときに活用できます。メールで添付した資料や見積書などに目を通してほしいとき、郵送した書類や履歴書に目を通してほしいという依頼には「ご高覧」を使いましょう。あとに続く文章は、その都度流れに沿って使い分けてください。

例文②感謝やお礼を伝える場合

  • ご足労いただきまして誠にありがとうございます。ご高覧いただき光栄です
  • 展覧会はたくさん方々にご高覧いただきました。嬉しい気持ちでいっぱいです
  • ご高覧くださった皆様へ、心よりお礼申し上げます

書類に目を通してほしいときだけでなく、感謝やお礼を伝えるときにも使えます。例えば、会社のイベントで展覧会を開催したとき、プライベートで演奏会や発表会をしたときなど、わざわざ足を運んでもらい観に来てくれたお礼を伝える事ができます。

「ご高覧」の類語表現

似た意味を持つ類語表現を2つご紹介します。言い換えに迷ったり、ど忘れしてしまったりという場合に覚えておくと良いでしょう。また、シーンによっては使い分けると一目置かれる存在になるかもしれません。ちなみに「ご査収(ごさしゅう)」は、よくご高覧と間違って使用されやすいです。

簡単に言うと「見てください」の意味を持つご高覧に比べ、ご査収は「しっかりと確認して受け取ってください」という意味があります。請求書や契約書を送付、添付する際に使うことが多く「質問や異論、不備等あればお申し付けください」という意味も含まれているので注意しましょう。

類義語①ご清覧

「ご清覧」とは送った相手に対して書いた文章、または手紙などを見てほしいときに使います。こちらも品のある言葉使いで、相手を敬っていることが伝わります。

例えば「手紙をお送りします。ご清覧いただけますと幸いです」「ご清覧のほどよろしくお願いいたします」など、基本的にはご高覧と同じ場面での使い方が可能です。ただ使い分けとして、文章や手紙を見てほしいときは、ご清覧を使うことを意識してみましょう。

類義語②賢覧

「賢覧」は「けんらん」と読み、意味は「ご高覧」と同じで、相手が見ることを敬うことです。まさに類語表現であり「ご高覧を使う場面では代わりに賢覧も使うことができる」と覚えておくと良いでしょう。

例えば「こちらの資料を賢覧に呈します」「添付した見積書をご賢覧ください」などと使用できます。同じ意味ではありますが、ご賢覧よりもご高覧の方がビジネスの場では使用されている印象です。ご賢覧を使うと、さらに堅苦しい表現に感じられることもあり、いずれにせよシーンや距離感等で使い分ける必要があります。

「ご高覧」の対義語

では対義語は何に当たるのでしょうか。対義語、いわゆる反対の言葉なので「見てください」の反対は「見ました」です。尊敬語の「ご高覧」に対して、自分自身は謙譲語の対義語を使いましょう。対義語を覚えておくと、相手の丁寧な言葉使いにも対応できます。

対義語①拝見

「拝見」という言葉は仕事においてはもちろん、プライベートでも使用する機会があるでしょう。その分、使い方も間違っていることが多い言葉でもあります。「拝見」とは「見る」の謙譲語です。自分自身が見るという動作を謙遜しており、拝むようにありがたく見るとの意味があります。

「自分は見ましたよ」と意思を伝えたいときは「拝見」で応えましょう。例えば「先ほどメールを拝見しました」「こちらの資料を拝見したところ、不明な点がございます」「母の元気な姿を拝見し、安心しました」「拝見いたします」などと使用します。

よく間違えられるのが「拝見させていただく」です。近年では「させていただく」という表現が多用されているため、間違った使い方をしても許容されますが、本来は違和感のある表現です。誰かから了承を得て何かをさせてもらう意味があるため、少し鬱陶しい表現になってしまいます。

対義語②拝読

「拝見」が「見ました」ならば、「拝読」は「読みました」という意味を持つ言葉です。文章を読んだということを強調し、相手に伝えたい場合は「拝読」を積極的に使いましょう。

「メールを拝読しました」「資料を拝読したところ、質問があります」など、拝見でも使用できますが、しっかり読みましたという想いを伝えたいときは拝読でも良いかもしれません。

また「先生の本が好きで、いつも拝読しています」など、本や小説の著者への言葉使いにもおすすめです。実際に本人に会ったときや、ファンとして気持ちを手紙で伝える際に活用しましょう。

「ご高覧」をスマートに使いこなそう

「ご高覧」の意味や正しい使い方は理解できたでしょうか。今回紹介した内容をしっかりと理解しておけば仕事ではもちろん、様々な場面で役に立つこと間違いなしです。ただ、上司であっても身近な存在の方には急に使うと違和感を与える可能性もあります。

あえて無理に使う必要はありません。覚えておけば、万が一社長や会長へ資料を渡すことになった際や取引先などで、酢マーチに使いこなせることができます。注意点をしっかり配慮しながら、ビジネスシーンで一目置かれる「ご高覧」を使いこなしてください。

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