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ドレスはもちろん、カジュアルにも「ホールカット」の革靴を。その優美な佇まいを愉しむ

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ホールカットの情報を探していると『贅沢な素材使い』『高度な技術』と言ったフレーズが多く見つかります。そのためブランドによっては価格も相当跳ね上がります。デザイン的にも優美そのもので、深い色気さ感じさせてくれる逸品も少なくありません。似たデザインではプレーントゥがありますが、羽根部分の構造のあるなしでここまで印象の違いが出るのかと改めて実感します。

一枚革で足を包むように仕上げたものを『ホールカット』と言います。パーツを継ぎ合わせていく方法と異なり、フィット感が違います。そして優美な姿がカタチ作られるのです。

素材の使い方の違いが、またデザインの違いがこのように印象を分けるのでしょうか。それも要素ではあるのですが、それだけではありません。このような構造になるべき理由があるからこそ『深さ』が生まれるのです。それは人間のカラダにあります。

優美な出で立ちのホールカット。その誕生の由来を考える。

https://renata-fashion.com/brandlist/%E3%80%90%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%89%E3%80%91anatomica%E3%82%A2%E3%83%8A%E3%83%88%E3%83%9F%E3%82%AB

近い例があります。アナトミカという日本ブランドがリリースするデニムにはサイドシームがありません。レングスに関しては内側のみ縫製されています。昔はこのような縫製が主体でした。理由は人間のカラダにそった設計を採用したためです。人間のカラダに継ぎ目はありませんね。

http://anatomica-sapporo.com/blog/archives/4561

衣類が量産されるにしたがい、このような取り都合が悪い構造は減っていきます。例えばデニムの場合、前後左右の生地取り分け、それぞれを縫合する工法に進化?していきました。そのほうが反物から効率よく切り出すことが出来ます。カラダに沿った構造から離れていきました。

Tシャツなども同様です。かつては丸胴編みで釣り込んで作られていましたが、これもデニムパンツと同じ経過をたどります。それまでの立体感やカラダを包む要素が薄れていきました。

デニムパンツは、耳付きの生地や、独特のねじれが味わいにつながるという意見も多くあります。Tシャツも襟の伸び具合いがラフなイメージ作りに繋がったり。しかし昔ながらの、人間のカラダに沿ったモノ作りが見直されています。

http://shoesaholic-jp.com/?pid=93882363

ファストファッションへのアンチテーゼなのか、デザイン重視のファッションへの決別なのか小さなくすぶりにモノ作りの真実を見つけることが出来そうです。その同じ地平に、ホールカットという構図があるのではないかと思います。

人間のカラダ(足のつくり)を尊重するからこそホールカットが誕生したとは言えないでしょうか。だからその存在に深さを覚えるのです。ボディコンシャスなカーブに色気を漂わせているのではないでしょうか。そうした視線で、選びぬいたブランドを見直してみました。