2019/03/14

「トレーサーの時計」に本格ミリタリーウォッチの神髄を感じる

トレーサーと言えばアメリカ軍に正式採用された時計として、またトリガライトを使用した夜光インデックスを搭載していることで有名です。時計の本場スイスで製造されておりクオリティーも高くなっています。

派手な時計ではありませんが、男心を惹きつけてやまない魅力にあふれるトレーサーの時計を、今日はご紹介させていただきます。

トレーサーが男らしい理由

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トレーサーは、スイスmb-microtec社のオリジナルブランドです。mb-microtec社と言えばたくさんの軍用時計や飛行機の安全灯などに使われていることでも有名なトリガライトの開発や製造で有名な会社です。

トリガライトとは、電力など他の発行源を必要とせず自らが発光する素材の名前ですが、ここではトレーサーとトリガライトについて説明していきます。

トレーサーの腕時計の歴史

1918年、Mert氏とBenteli氏がスイスの首都ベルンにて、用に蓄光性塗料の開発や製造、販売を行う会社を創業したことからトレーサーの歴史は始まります。

この会社では蓄光性塗料の材料として欠かせない放射性物質を、ノーベル物理学賞、化学賞を受賞したことで知られているキューリー夫人が経営する会社から直接買いつけていました。そして後に、トリチウムガスをガラス管に封入することで自己発光するトリガライトの開発に成功したのです。

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1988年、当時アメリカ軍で採用されていたトリチウムペイントタイプの時計から規定以上の放射能が計測され、アメリカ国防省がミルスペック(軍指定装備規定)の改訂を実施したことから、トレーサーに転機が訪れます。

軍用品の正規納品業者は新しいミルスペックに合格しなれば軍用品の納入ができなくなるため、安全で正確な時計の製造を行う必要性に駆られました。

ところで、正規納品業者の1社だったStocker & Yale社は数mb-microtec社が開発、製造していたトリガライトを米軍用コンパスに使用していたのですが、この技術を軍用の時計として生かすことができるのではないかと考えたのです。

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これによりmb-microtec社がアメリカの軍用時計の歴史に参加することになります。トレーサーが製造する時計はトリガライトを文字盤のアワーマークと秒針に使用することで暗闇での視認性を驚異的に高めました。

新たな軍用時計の最初のパターンとなった時計がアメリカ国防省による厳しい数々のテストに合格。こうしてトレーサーウォッチH3シリーズはアメリカ軍に正式採用されました。

その後1980~2000年の間、100万個以上の時計が米軍に納品されることになったのです。そして50万個以上が一般市場でも販売を開始します。

2000年、Stocker & Yale社が時計部門からの撤退を表明した後、トリガライトの開発元であるmb-microtec社は、本物の軍関係品を収集しているコレクターからの熱心な申し出により、ミルスペックモデルH3シリーズを蘇えらせました。

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トレーサーには執着心とも呼べるものがある

トレーサーと言えばトリガライトですが、それ以外にもトレーサーの時計にはトレーサーらしい特徴やこだわりがあります。

トレーサーの特徴

まず、トレーサーの一番大きな特徴であるトリガライトの特徴から説明します。

トリガライトは放射性物質を放出せず自己発光する物質で、従来の蛍光塗料と比べて実に100倍近い光を出します。そのため暗闇での視認性を飛躍的に向上させました。

そんなトリガライトの採用は大きな転機となりましたが、その他のトレーサーの時計の特徴と言えば本物ゆえの実用性です。トレーサーの時計には一切無駄がありません。必要な機能のみで作られた時計は、無駄な飾りがない分シンプルで男らしいデザインに仕上がっています。

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トレーサーのこだわり

軍用時計の納入業者として大切なことは、納入する時計の精度や耐久性が優れていることはもちろんですが、常に同じ品質の時計を安定して納品できることでもあります。それがゆくゆくは軍全体と兵士1人1人の命を守ることへとつながると考えられるためです。

ミルスペックとは、アメリカ軍用物資を納入する際の規格の総称です。軍で使用されると言うことは戦場で使用されると言うことでもあります。実際、湾岸戦争でもトレーサーの時計が活躍しました。

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戦場は、私たちの普段の生活とはかけ離れており、時計の使用環境も厳しく、また少しでもその時計に不具合が生じれば命を失う可能性があることから、高い信頼性を求められることになります。

ミルスペックでは遠い宇宙の果てや様々な空間、海底や砂漠、また熱帯雨林、北極や南極のような極地、どんな場所でもその性能を全て発揮できるクオリティが求められます。

そんな高基準をクリアできる時計の存在こそ、トレーサーのこだわりの全てが凝縮されていると言えるでしょう。

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トレーサーを一躍有名にしたあの映画

踊る大捜査線THE MOVIE3では織田裕二さん演じる青島俊作がトレーサーTYPE6を着用しました。この時計は文字盤にブランドロゴがなくどこの時計なのか気になる人が続出したことで話題になりました。

トレーサーの時計は元々軍用として作られているので無駄を省いて作られています。そのためブランドロゴも省かれたのでしょう。そんな武骨な作りがトレーサーの人気の秘密でもあります。