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本物志向が強い方に読んでもらいたい時計の「ムーブメント」のすべて
時計のムーブメントとは、腕時計の原動力となっている部分の事です。車で言うとエンジンの事ですね。
機械式時計のムーブメントは手巻きと自動巻きに分けられています。またクォーツ時計の機構はモジュールと呼ばれることもあるなど聞きなれない単語が多いのですが、これらの仕組みを理解することで1歩ずつ時計通に近づくことができるでしょう。
今日は時計のムーブメントについて詳しくご説明いたします。
時計の心臓 ムーブメントについて
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ムーブメントは時計のケースの中にあります。時計の動力機構を指す言葉で、主に電池を使わない機械式と、置いておいても止まらないクォーツ式に分けられます。
それぞれにメリットとデメリットを持っていますので、人それぞれ、自分にとって使い勝手がいいムーブメントを選ぶと良いでしょう。
ムーブメントの種類 それぞれの特徴について
ここでは時計のムーブメントごとの特徴について説明していきます。
機械式自動巻き
機械式自動巻きは男性用の高級時計では最も一般的で、動力がゼンマイになっているムーブメントのことですが、その中でも腕に着けておくことで自動的にゼンマイが巻かれる物を指します。
ゼンマイは毎日手動で巻き上げる必要がありますが、ただ腕にはめていつも通りの日常生活を送ることで自動的に巻き上がる機械式自動巻きの便利さは、腕時計が普及する大きなきっかけとなりました。
機械式自動巻き時計のメリットは電池交換の必要がないことと、毎日竜頭を巻く手間がかからないところです。
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しかし丸1日以上腕にはめないで置いておくと止まってしまうというデメリットもあるので注意しましょう。また衝撃に弱いのでスポーツなどをするときは外しておいた方が良いですね。
その他にも、強い磁気の影響を受けて内部パーツが磁気帯びしたり、時間が大きくずれてしまうことがあるため、磁気を発生する携帯電話やパソコン、マグネット等からは時計を遠ざけておく方が良いでしょう。
短い時間しか使用しない方、またはデスクワークに従事していて普段あまり体を動かさない方は、腕を動かす時間が足りず十分巻き上がらない恐れがあります。そのため竜頭での巻き上げも併用するようにした方が良さそうです。
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機械式手動巻き
機械式手動巻きは、最も古くからあるタイプのムーブメントです。自動巻の先駆者とも言えるトラディショナルな機構で、ローターがない分自動巻より薄いケースを作ることが可能となります。
この機械式手動巻き時計はいつも腕に身に着けて、お世話をする必要がある時計です。そのため、愛着のわき方は他のムーブメントを持つ時計とは全く違ってきます。
これが、多くの時計好きが機械式手動巻き時計を愛用する所以でしょう。
机の中にしまっておき、いざ使う時には殆どの場合止まっている機械式手動巻き時計は、常に誰かが面倒を見る必要がある、子供のような存在になれるのです。
ちなみに、腕に着用できない懐中時計はムーブメントにクォーツか手巻き式を採用していることが多いです。
また、巻き止まり(ゼンマイが全て巻き上がった状態)後は、ゼンマイが切れるため巻き上げないことが重要です。
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クォーツ式
クォーツ式時計とは電池を動力として動く時計のことです。
1秒間に数万回とも言われる水晶(クォーツ)の振動を電気信号に変換することで、モーターを駆動させたりデジタル表示させたりします。また安定した振動数を持っているので、正確な時間を算出することが可能です。
今では最も世界中に普及しているムーブメントではないでしょうか。置いておいても止まらないという特徴は、普段使いの時計として、また気軽に身に着けられる時計として最適です。
クォーツ式時計は、時計に手間をかけたくない人にが特におすすめの時計です。普段は機械式時計を身に着けている人でも、クォーツ時計は1本持っておくと便利ですよ。
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デメリットは電池が消耗するので定期的に電池交換の手間がかかることです。電池交換をしなければ当然ですが時計は動きません。また、電池を長持ちさせるため、クロノグラフの使用は短時間にすると良いですね。
電池が切れたらすぐに電池交換をするようにしましょう。電池が切れると時計が止まってしまうだけでなく、そのまま放っておくことで電池内の液体が漏れ出してしまうことがあるからです。
こうなると分解掃除をしないと時計は動かなくなります。
スプリングドライブ
スプリングドライブはセイコー独自のムーブメントです。動力源は機械式時計と同じゼンマイですが、精度はクオーツ式時計と同じく水晶の振動からの正確な信号によって制御されているので年差±10秒ほどしかありません。
またスプリングドライブの大きな特徴として滑らかに動く秒針が挙げられます。時計の秒針が動く様子のことを「運針(うんしん)」と呼ぶのですが、秒針が1秒ごとに止まりながら進むステップ運針は主にクォーツ時計によく見られます。
これに対して、主に機械式時計でよくみられるのが秒針が連続的に動くスイープ運針です。ロレックスなどの針はこの方式を採用しています。スプリングドライブもこのスイープ運針を採用していますが、連続的に動く際の滑らかさの程度が他の時計メーカーとは違うと評されることが多いです。圧倒的に滑らかな動きが世界中の時計愛好家から絶賛されています。
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マニュファクチュールとエタブリスールの違い
マニュファクチュールやエタブリスールとは何を指す言葉でしょう。時計好きや愛好家の人以外の人にとってはあまり聞き慣れない言葉ではないでしょうか。
マニュファクチュールとは
マニュファクチュールとは、ムーブメントから自社一貫製造する時計メーカーを指す言葉です。ムーブメントから一貫して時計の製造を行うには技術力が必要とされています。
マニュファクチュールのメリットは、本格的に時計を生産している時計メーカーとして世間から評価が上がるという点でしょう。また高級時計はクラフトマンシップ(職人技)の結晶であって欲しいという時計好きが抱くイメージに応えることもできます。
一方デメリットとしては自社生産するための人件費や設備費、開発費がかさむため販売価格が高騰する点が挙げられます。また、技術が伴っていない時計メーカーの場合、時計の価格だけが値上がりして品質は下がってしまうという現象が起こることもあります。
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エタブリスールとは
外注したムーブメントを使用して時計を製作する時計メーカーをエタブリスールと言います。時計の本場スイスの時計業界では、元々このエスタブリースが基本スタイルでした。マニュファクチュールと比べられることも多いですが、エスタブリースの時計は品質が良くない、質で劣るということはありませんので安心してください。
エタブリスールのメリットはコストダウンができる点でしょう。また汎用性の高いムーブメントを採用している時計の場合、故障時の修理が容易である点もエタブリスールのメリットと言えます。
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近年の時計メーカーの流れ
近年、時計メーカーのマニュファクチュール化が進んでいます。これは数多くの時計メーカーにETAムーブメントを提供してきたETA社の2010年問題に起因した現象だと言われています。
ETA社の2010年問題とは、ETA社が2010年を目処にムーブメントの提供を制限することを決定した問題です。そのため、これまでETAムーブメントを採用していた時計メーカーはやむを得ない形で、マニュファクチュール化を選びました。
機械式時計の価値を高めるマニュファクチュールはステイタスの証明とも評されます。しかしそれは、高い技術力やムーブメントへの信頼性があってこそ。技術力に裏付けされた独自の工夫をすることで、他の時計メーカーとの差別化をはかることができ、また時計を身に着ける人にステイタスを感じさせることができる時計となるのです。
マニュファクチュールにこだわる時計メーカー5選
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セイコー
1881(明治14)年、服部金太郎が輸入時計の販売や時計修理を目的として服部時計店(現セイコーホールディングス)を創業したのがセイコーの始まりです。マニュファクチュールの時計メーカーは世界各国にありますが、完全な自社一貫製造を行っているのは世界中でもセイコーのみと言われています。
ムーブメントの設計や開発、そして製造、組立、調整、検査、出荷と言った時計を生産するうえでのすべての過程を自社で担う真のマニュファクチュールこそセイコーの時計の醍醐味と言えるでしょう。
最先端の技術と世界でも最高レベルの匠の技を融合して時計を作るセイコーは、正確で美しく見やすい、また長く愛用でき、使いやすいといった人々が時計に求める願いを叶える時計作りを可能にしました。
実直で精度の高い時計メーカーですので多くの人に信頼されています。
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ロレックス
ロレックスは1905年にイギリスのロンドンで、ドイツ人のハンス・ウイルスドルフにより創業された時計メーカーです。ロレックスもまたトップクラスのマニュファクチュールメーカーとして有名ですね。
ムーブメントの要となるテンプを構成するパーツの1つであるヒゲゼンマイを自社製できるメーカーは世界中でも僅かだと言われていますが、ロレックスはその数少ない時計メーカーの1つです。
また現行の全シリーズに自社開発のムーブメントを搭載するなど本格的なマニュファクチュール化を成功させています。
全てにおいて高精度であることの証明であるクロノメーター規格を満たしているので信頼性も抜群です。
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オメガ
オメガは1848年にスイスの時計名産地ラ・ショー・ド・フォンで、時計師ルイ・ブランにより創業された時計メーカーです。時計の精度を競うコンクールでの入賞や新記録を打ち出すなど、時計を精密機器として捉えることで最高の精度を追求してきたメーカーと言えます。
近年はコストカットによりムーブメントの自社開発を控えていたオメガですが、2007年には30年ぶりとなる自社ムーブメントを開発しました。また8つの厳しい基準をクリアしたマスタークロノメーター認定モデルの開発にも世界で初めて成功しています。
近年のオメガの目覚ましい進化は、歴史あるマニュファクチュールの時計メーカーとしてのオメガの威厳を再び返り咲かせました。もちろん、長い歴史がある時計メーカーですので信頼性も高く同時に高いステイタスも感じさせてくれます。
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ブライトリング
ブライトリングは1884年にスイスのサンティミエで、レオン・ブライトリングにより創業された時計メーカーです。クロノグラフは自社生産が難しいと言われていますが、このクロノグラフと深いつながりを持っているのがブライトリングで、クロノメーター規格を満たした高性能のクロノグラフを自社生産しています。
また2009年にブライトリング初の完全自社製ムーブメント「Cal.01」を発表後、GMTやワールドタイム機能を備えたムーブメントなど、オリジナルムーブメントを次々と発表しました。
自社製ムーブメントを搭載したモデルのみ5年の保証期間を設けているのは確かな品質に裏付けされた自信の表れと言えるでしょう。
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ゼニス
ゼニスは1865年にスイスの時計製造の発祥地であるル・ロックルで、時計職人のジョルジュ・ファーブル=ジャコにより創業された時計メーカーです。製造効率を上げるための手段としてマニュファクチュール化を選択したことで知られるゼニスは、選ばれた時計職人たちがより効率的に時計の製造に集中できるようマニュファクチュールによって開発、製作環境を整えたと言われています。
そんなゼニスはもちろん、老舗マニュファクチュールの時計メーカーとしても抜きんでた知名度を持っています。また傑作との呼び声高いムーブメントを600種類以上生み出し続けており、現在は他時計メーカーにもムーブメントを提供しています。
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まとめ
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ムーブメントと一言で言ってもたくさんの種類があり、それぞれにメリット、デメリットがありますので、それらを理解したうえで時計を選ぶことが大切です。
あなたにとって良い時計とはどんなムーブメントの時計でしょうか。あなたがあなたの最高の1本と巡り会えますように。
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