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男のダンディズムを体現する「ダンヒル」の時計特集
ダンヒルの時計の評価
https://gqjapan.jp/brand/dunhill
ダンヒルはファッションブランドながら、時計愛好家やマニアからも一定の評価を獲得しています。理由としては、ダンヒルが長い歴史の中で築いてきた、ブランドとしての「信頼度の高さ」が挙げられます。
最先端のトレンドを発信するファッションブランドやメゾンなどと異なり、ダンヒルはどちらかと言えば伝統や格式を重んじるブランド。19世紀末という古くから、今に至るまで紳士たちに愛されるアイテムを手がけ続けるスタンスは、職人気質な時計メーカーや革靴メーカーと通ずるものがあります。
ダンヒルのそういった運営スタイルは、時計のデザインにも如実に表れています。1930年代には、アールデコスタイルにインスパイアされたトノーケースの腕時計を制作。その後もブレゲ針などクラシックな意匠を備えた腕時計を数多く展開します。
ダンヒルの腕時計はサイズが小さい?
愛好家を中心に特に評価が高いのが「ミレニアム」で、小ぶりなケースとミニマルなクラシカルデザインが多くの紳士を虜にしました。根強い人気を誇ったミレニアムですが、2000年ごろに訪れた空前の「デカ厚時計ブーム」によって一旦は影を潜めます。
現在では当時ほどのデカ厚トレンドではなくなったものの、男性用腕時計の標準サイズは20年前よりも大きくなりました。1980年代に発売されたミレニアムのケースサイズはおよそ32mm。現在の標準である38mm〜40mm前後の腕時計と比べると、かなり小さいサイズです。
ところが、アンティークな腕時計を愛する愛好家や、クラシックなスーツスタイルを求める人たちは、35mm前後の小経サイズこそベストマッチと考える人が多いです。手首の太さや袖口から見えるときさり気なさ、そして全体のバランスを考えたときに、40mmオーバーの腕時計はあまりにも目立ってしまいます。
特に手首の太さと時計サイズの関係性は非常に重要。とりわけ日本人は手首の細い男性が多いです。パネライの「ルミノール」やオメガの「シーマスター プラネットオーシャン」は人気の高い腕時計ですが、骨太の人が着用するのと華奢な人が着用するのとでは、どうしても見た目の格好良さに差がでてしまいます。
もちろんクロノグラフやダイバーズウォッチは存在感抜群ですし、お洒落なのも事実ですが、45mm規模の大型のものは注意が必要です。そういう意味で、32mmサイズのダンヒルの腕時計は、手首の太さを選ばない「どんな人にも似合う時計」だと言えるでしょう。
ダンヒルの時計はアンティークウォッチやヴィンテージ物が人気
https://www.pinterest.jp/pin/764767580447194877/
ダンヒルは2011年のジュネーブサロン(SIHH 2011)で当時の新作を発表して以来、7年以上も腕時計を製造していません。その2011年の新作ですら、4年ぶりに発表されたものです。
また、ダンヒルの公式サイトではアパレルやウォレット、小物やアクセサリーなどさまざまなアイテムが並んでいるものの、腕時計に関してはラインナップから除外されています。このことから、現在のダンヒルは腕時計製造に注力していないと言えます。
市場に並んでいるダンヒルの腕時計も、過去に製造された中古のヴィンテージやアンティーク時計ばかり。しかし、これらのアンティーク時計こそ愛好家や時計好きから支持されているのです。
https://www.instantluxe.co.uk/watches/wrist-watch/dunhill/unisex-facet-A66059
アンティークと言っても、1930年代のものから2000年代のものまで年式はさまざまですが、そのどれもが現在のダンヒルの正規店で手に入らないものばかりです。完成度が高く洗練されたデザインのため、時代が経過することでむしろその魅力には磨きがかかっています。
また、ダンヒルは”ダンディズムの象徴”とまで呼ばれているブランド。1940年代にはドイツ空軍にりデューク通りの店舗が爆撃されるも、わずか1日で営業を再開させました。さらに、片手で着火できるオイルライターなどを発明したことから、世界中の男性から憧れる存在となりました。
そういう意味でもダンヒルのアンティーク時計は「古臭さ」だけでなく、ダンディズムを体現する「男らしさ」を兼ね備えているのです。