おそらく現代においては、非常に親しい友達に対して、マブダチよりも親友という言葉の方を多く使うでしょう。これらに違いがあるとなると、少々ややこしく感じてしまうかもしれません。
しかし、実際のところはマブダチと親友に大きな意味の違いはありません。親友もお互いに信頼を置き合っている友人同士のことを指し、しばらく会っていなくとも久しぶりに会っても昔と同じような接し方ができるのなら、それは親友と言って差し支えないでしょう。
意味的に大きな違いこそありませんが、マブダチといった方がより砕けた印象を持ちやすいでしょう。「俺たちはマブダチ」といった風に使った方が、ヤンキー用語感が強く出ます。
マブダチと似た意味を持つ類義語
昨今こそあまり聞くことのなくなったマブダチではありますが、それはその分親しい友達のことを表す言葉が他に数多く存在しているからであるとも考えられます。そこで、似たような意味を持つ類義語についてもいくつかご紹介しましょう。
類義語①親友
まずは、親友です。先述している通り、マブダチと親友との間には大きな意味の違いはなく、ほぼ同じような用い方ができます。何年も会っていなくとも、再開すれば昔と同じような接し方をお互いが自然にできる、という相手が、親友に該当します。
定義としては、お互いに心を許し合っている友人、特に親しい友人ということになります。類義語は色々とありますが、その中でもマブダチに最も近い言葉として使われるのはやはり、親友でしょう。
ただ、親しみやすさや砕けた感触という意味では、マブダチの方がより親しみを感じるでしょう。親友だと多少堅苦しさがありますが、マブダチであればどんなことをしてもお互いを許し合える存在であると分かります。
類義語②ズッ友
続いては、ズッ友です。これはずっと友達という言葉やメッセージを略したものであり、これも親友などと同じく、特別仲の良い相手に対して、これからもずっと友達でいることを表現する際に用いられます。
ずっと、という言葉があるわけですから、これまでも相手とは相応に関係を持っていることが分かります。すなわち、ある程度以上の期間親しい間柄で居続けた相手に対して使われる言葉であると考えられます。
この言葉は、2000年代の前半あたりから、若い世代、特に女子高生の間で流行し始めました。マブダチが流行ったのが1970年の後半であると言われているので、そこから時間を経てまた新しい言葉が生まれたのです。
類義語③ニコイチ
ニコイチ、というのも、非常に親しい友人同士の間で使われることがあります。これは二人の人物を一人の存在として捉える、という例えの意味を持っており、一個の存在とまで言える以上にお互いを信じ切っている間柄を意味します。
マブダチに似たような意味を持っていますが、どちらかというと友人としての意味合いがより強いのは、マブダチの方かと思われます。
そして、親しい人物同士を一人の存在としてみなす以外にも、2つ以上の中古の機械から部品を使い、新しい1つの機会を作る、といった意味もあるので、中古の自動車を言い表す別名としても用いられているのです。
類義語④相棒
非常に分かりやすいのが、相棒という表現でしょう。元は一緒に物事や仕事などをする時の相手、となっていますが、籠やもっこ等、二人以上で担ぐものを担ぐ際に一緒にやる相手、といった意味も持っています。
籠、もっこなどは、二人以上が居なければ運ぶのは難しいでしょう。二人が力を合わせなければ担いで持って行くことも進むこともできない、という意味から、何でも協力して物事に当たる相手、嬉しさも悲しさも共有し合えるほどの仲になった相手、として使われます。
類義語⑤BFF
もう1つ、BFFというのも類義語に数えられます。これは「Best Friend Forever」の単語の頭文字を取ってできたものであり、簡単に直訳してしまえば、永遠に自分の最高の友達、という意味になります。
こちらは、アメリカの女子高生が中心となって広がった表現であると言われており、日本においても若者の間で略した言葉が使われることが多くなったために、そのまま受け入れられて親友などと同種の扱いをされています。どちらかと言えば、SNS等でよく使われている傾向があります。
マブダチと呼べる友達の特徴
以上、マブダチの意味、そして似通った意味を持つ類義語などについて解説してきました。では、具体的にマブダチと言える相手はどんな友達なのでしょうか?続いてはその特徴についてご紹介していきます。
特徴①尊敬できる
まず、尊敬ができる相手であることが挙げられます。心から信頼できたり、許し合える存在のことを親友やマブダチ、と言いますが、自分が持っていないものを持っていたり、その人にしかできないことがあると、憧れに似た尊敬の気持ちを持つことができます。
仕事であろうとそれ以外の場面であろうと、そういった自分に無いものを持っていると分かり、それを尊敬というプラスの気持ちとして捉えられれば、良好な関係が続くでしょう。
そして、相手も自分に対して同じような目線を向けてくれています。それゆえに、相手を受け入れつつ、尊重ができるのです。
特徴②何でも話せる
続いて、何でも話し合えるということです。ポジティブやネガティブな内容の話であっても、マブダチ相手であれば臆することなくすべてを話せるので、お互いに隠しごとがない状態になります。
相手もどんな話をされようと嫌な気持ちにならないので、非常に強い信頼関係を構築できていると言えます。すなわち、隠し事をする必要もない間柄なのです。
そして、そういった話が全てできるのは、相手のことを最も知っているからです。それゆえに、何を考えているのか、何を必要としているのかも手に取るように分かるでしょう。
特徴③互いに自然体で付き合える
極めて自然体の状態で付き合っていけるというのも、マブダチには欠かせない要素です。それほど親しくない相手であったり、あるいは完全に初対面の相手と二人だけの状態になると、中々会話が続かなくなったり、沈黙した状態が続いてしまいやすいです。
そして、そういった時間が自分、あるいは双方にとって苦痛になってしまいます。全くそう感じない方も居るかもしれませんが、どちらかというと少数派でしょう。
対して、マブダチ相手であれば、例え沈黙が続こうと気まずいと感じることは全くありません。それどころか心地よさまで覚えるので、一緒に居ることでストレスは感じないのです。
特徴④裏切らない
マブダチがお互いを裏切るようなことは決してしません。これまでに気付いてきた強固な信頼関係があり、そしてそれが非常に大切で得難いものであるということをしっかりと分かっているからです。
おそらくマブダチになるまでには、衝突したこともあったかもしれません。しかしそれを乗り越えたからこそ、互いに信頼できているのです。最大の理解者とすら言える得難い相手を、早々裏切りはしないでしょう。
特徴⑤困っている時に助けてくれる
自分が困っている時、あるいは相手が困っているとなった時には、何をおいても助けてくれます。これは、嬉しいことも悲しいことも、相手と共有できているからです。
辛い状況になっているのを自然に察知して、寄り添うことができます。もちろん相手が同じ状況になった時にも絶対に見捨てないので、そういった支えがより信頼を深めるのです。
特徴⑥礼儀を心得ている
「親しき中にも礼儀あり」という言葉がありますが、マブダチの間でもこれはしっかり行われています。先にご紹介した尊敬の気持ちもあるでしょうが、仲が良いからと言って適当に接するわけではなく、感謝や礼などは必ず行うのです。
特徴⑦欠点を受け入れてくれる
異性で普通の知人や友人といった関係であった場合、何らかのタイミングによって恋愛関係に発展する場合もあります。それ自体が悪いことではもちろんありませんが、マブダチとなると恋愛関係には決して至らないのです。
お互いをよく知り、尊敬し、尊重し合えるマブダチという存在は、誰であっても得難く、そして一人は欲しいと思うでしょう。そんな相手が欲しいのであれば、心がけるべきことがいくつかあります。
もちろん、嘘をついて試すようなことをしては、本当の信頼関係は築けません。本音を話してくれている、ということが相手に伝われば、自然と相手も自分と同じように接してくれますので、マブダチの間柄が成立します。
マブダチと呼べる友達の特徴についてご紹介しました。お互いへの絶大な信頼という、非常に得難いものを持っているマブダチは、人生の中でもかけがえのない一生ものの友達と言えます。皆さんもぜひマブダチと言える相手を見つけてみてください。