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癒しの宝石! 12月の誕生石「ブルージルコン」って一体どんな宝石?
12月の誕生石である「ブルージルコン」はダイヤモンドの代用品としてのイメージが強い宝石ですが、
その透き通った青さから「新しい事に挑戦する」時にぴったりなパワーストーンとして人気があります。
今回はそんなブルージルコンの魅力を余すところなくご紹介します。
画像引用元:https://www.youtube.com/watch?v=wdkTpotCFGs
ブルージルコンは人造石と思われがちですが、実はジルコニア・キュービックジルコニアとは全く違う、正真正銘の宝石です。
ダイヤモンドと輝きの性質が非常に似ており、ダイヤの代用品として使用されてきた歴史を持つためそういったマイナスのイメージがついています。
しかし、実はブルージルコンにはダイヤにはない魅力があり、ダイヤの代用品とされるだけでは、とてももったい無い宝石なのです。今回はそんなブルージルコンの魅力に迫ってみましょう。
◉12月の誕生石「ブルージルコン」ってどんな宝石?
画像引用元:https://www.youtube.com/watch?v=h3jn0TdR71o
ブルージルコンはダイヤモンドの代用品として使用される「キュービックジルコニア(模造品・人造石)」としばし混同されますが、全くの別物です。
ブルージルコンは透き通った優しいブルー色をしており、ダイヤモンドに引けを取らない輝きを発揮する正真正銘の宝石なのです。
多くの場合無色やイエロー、ブラウン、透明のジルコンに加熱処理を加えて市場に流通しています。ジルコンは18世紀頃、スリランカ南部のマタラから、無色とごく淡い黄色のジルコンが採掘されて認知される様になった宝石です。
主な産地は、タイ王国やカンボジアとなっています。
◉ー1、ジルコンの特徴とは?
ジルコンには以下のような2つの特徴があります。
・高いディスパーション(虹色の輝き)
構造上ダイヤモンドと同レベルのディスパーション(虹色の輝き)を持ち、ジルコンの輝きは他の宝石に引けを取りません。
・ユニークな複屈折(二重屈折)
ジルコンの内部を光が通る時に2つに分かれて、結果としてバックファセットが2重に見え、厚みを増したようになります。こうして生じる美しいモザイク模様は、他の宝石ではなかなか見られない特徴です。
気を付けたいのは、ブルー・ジルコンは、直射日光に当てると1時間で50%程度色褪せるという点です。しかし、暗所に数日保管すれば色がもとに戻ります。
宝石の硬さを示す硬度は7.5と水晶よりも高いのですが、欠け易いのでリングにする際には耐久性を考えたデザインにすると良いかも知れません。
◉ー2、ブルージルコンの歴史
ブルージルコンはキュービックジルコニアが登場するよりずっと前から、人々の生活に華を添えていました。18世紀にスリランカで発見されてから1920年に宝石市場に登場し、ダイヤモンドに近い輝きから大人気の宝石となった宝石です。
ブルージルコンは上記で触れた通り、加熱処理をして生み出される色合いですが、その美しさゆえ、ギリシャ神話の中で美少年の名前がつけられた花・ヒヤシンスと同じ名前で呼ばれることもありました。
ヒヤシンスと言えばユリ科の多年草で、青、紫、紅、黄、白の花をつけますよ。多彩なカラーとダイヤに近い輝きを持つジルコン一般にピッタリのネーミングではないでしょうか。
ちなみに、そうした影響を受けて、ジルコンの和名は『風信子石(ヒヤシンス石)』となっています。ブルージルコンには苦しみや痛みを和らげる効果があるとされ、中世では、ペストから守る石や出産時の女性を助ける石というように、神の保護をもたらす護身符として大切にされていたそうです。
◉ー3、キュービックジルコニアとの違いとは?
ジルコニアと言う名前から、「キュービックジルコニア」や「ジルコン」と混同されますが、まったくの別物です。ジルコンは、ジルコニアを模造して作られた人造石で、さらにジルコニアを加工して安定・硬化させたものがキュービックジルコニアです。
具体的には、キュービックジルコニアは二酸化ジルコニウムにイットリウムやマグネシウムを混ぜて結晶化さて人工的に作り出されます。
それに対して、ジルコンは、ジルコニウム(Zr)を主成分としたケイ素(Si)と酸素(O)の化合物で、46億年前に地球が誕生した後、10億年以上経って誕生した宝石なのです。
ダイヤモンドに近い輝きを持ちますが、決定的な違いは、ジルコンは複屈折(二重屈折)を持つという点です。文字か線の上から宝石を通してみれば、ジルコンの場合2重に見えます。
そのため、紙に印字された文字の上にキュービックジルコニアとダイヤモンドをそれぞれ置き、字が読めるのがダイヤモンドで、字がぼやけてしまい読めないのがキュービックジルコニアです。
◉ブルージルコンの宝石言葉とは?
(画像引用元:https://www.youtube.com/watch?v=Rf2n5BPx9vc)
ブルージルコンは「安らぎ」「祈願」「夢想」「成功」と言った宝石言葉を持っています。透き通るような青色は見る人に安らぎを与え、昔から身を守る石、安産の石として護符のような役割をもっていました。
そこから「祈願」という宝石言葉が誕生したのも不思議ではありません。さらにダイヤモンドのような澄んだ輝きは純真な心を呼び覚まし、夢を思い出させる事から「夢想」。さらに光のポジティブなエネルギーが成功に導いてくれると「成功」という宝石言葉にも繋がったようです。
◉パワーストーンとしてのブルージルコンの効果とは?
ジルコンには赤、黄色、無色、グリーンなど様々な色合いがあり、それぞれ持ち主に知恵や名誉、富などをもたらすエネルギーを持つとされています。
中でもブルージルコンは、「新しい事への挑戦」に効果を発揮すると言われています。ダイヤのようなきらきらしたブルーの輝きが、持ち主に涼しさ、爽やかさを運んでくれるため「新しい環境(引越し・仕事)が欲しい」「新しい恋人が欲しい」「人間関係の輪を広めたい」など、変化を求める時に後押ししてくれるパワーストーンなのです。
また屈折率が高く、光を2つに分けて出す特性から、人生の方向転換や自分の可能性を広げたい時、視野を広く持ちたい時にも効果的と言われています。
◉宝石としては特殊な分類法
ジルコンは、結晶になる際に正方晶系という形の結晶系を持ち、ジルコニウムやケイ素や酸素をその形に規則正しく積み上げて成長しています。この形成過程でジルコニウムと間違えて「ウラン」を体内に取り込んでしまう事があります。
ウランは放射線、主にアルファ線を放出しますので、ウランの含有量が多い程に結晶構造の内部崩壊が生じてしまうのです。結晶構造が崩れてしまうと、輝きが減ってしまい宝石としては魅力的ではなくなってしまいます。
ウランの含有量がジルコンの美しさを決めると言っても過言ではなく、その含有量によって以下の3タイプに分類されます。ジルコンは含有するウランの量によって分類される珍しい鉱物なのです。
・ロータイプ
結晶構造がすべて壊れてしまっているジルコンです。屈折率や比重、さらには硬度が低下したもので、緑のジルコンに多く見られます。
・インターミディエイト
多少の構造的損傷が生じているジルコンです。
・ハイタイプ
放射性物質の損傷を全くまたは殆ど受けていない、完全な結晶構造を持っています。そのため輝きが強く、宝飾品の多くではこのタイプが使用されています。
◉ブルージルコンの色の種類
ブルージルコンは、薄いイエロー、ブラウン、無色のジルコンに加熱処理を加えて作り出されます。ジルコンの中でも最も人気のカラーで、販売されたジルコンの少なくとも80%がブルーという、宝石商の報告もある位です。
多くの場合、グリーンとブルーの色を帯びた「グリーニッシュブルー」の色調となる事が多く、非常に弱いグリーニッシュブルーからグリーニッシュブルー、そして強いグリーニッシュブルーの範囲であらわれます。濃すぎるものは透明度に欠けるケースが多く、少し色の薄い、輝きに優れたブルージルコンが最も人気で需要があります。
◉ブルージルコンの賢い選び方
ブルージルコンは加熱によって生み出されるため、処理中に亀裂が入ってしまったり、またはいい色にならないケースもあります。そのため、まず亀裂などがない事をチェックし、次にジルコンの特性である、モザイク模様がはっきり見える品をチョイスしてみましょう。
色は一見濃い方が魅力的に見えますが、透明度が時間とともに落ちるケースが目立ちます。少し薄めでも良いので、きらめきに優れた品にするとなおよいでしょう。
更に、肉眼で確認できるキズがなく、カットが丁寧である事(特にファセット・エッジ)も確認しましょう。ジェムクオリティーに相当するブルージルコンの参考価格は、3カラットで5万円からが相場となっています。
◉まとめ
いかがでしたでしょうか。
12月の誕生石として、トルコ石(ターコイズ)と並んで人気のブルージルコンをご紹介させて頂きました。ジルコニアやキュービックジルコニアとしばし混同されますが、人工石ではなく、れっきとした宝石です。
その輝きはダイヤとほぼ変わらず、時にダイヤの代用品として、身を守るパワーストーンとして人々に愛用されてきた歴史を持ちます。
お手頃な価格で、ダイヤモンドと同じ輝きを楽しめるのは嬉しいポイントですよね。みなさんもブルージルコンの、その美しさを最大限楽しんでみてはいかがでしょうか。