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健康的な不良おやじは「エスパドリーユ」を履いて南国に出かけよう
エスパドリーユとは、底にジュート(麻)を使用した、キャンバス地のスリッポンタイプのスニーカーライクな靴のことで、『エスパ』世代によっては『エスパド』と略されています。
バスク地方(スペインとフランスの国境、バスクシャツも有名)が起源だといわれ、現在も製造国は地中海地方が多いようです。注目されるようになったのは1970年代、サンローラン発表したがウェッジソールのサンダルでした。この時デザイン及び製造に参加したのがスペインの製造会社であるカスタニール(Castañer)社でした。
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きわめて単純な作り・構造はーロッパ全域にルーツがあるとされ、かのローマ帝国時代の貴族が履いていた、バスク地方では農民や港で働く作業員が使った、など諸説混在しています。
エスパドリーユとはフランス語で、その呼び方が広がりましたが、カタルーニャ語ではアスパルデーニャ、スペイン語ではアルパルガタ、バスク語ではエスパルティナと呼ばれています。地中海地方にはロープなどを作るために用いられる丈夫でしなやかなエスパルトいう繊維がありますが、これが語源だという説が有力のようです。
潮風の似合うリゾート感、太陽が似合う陽気な靴です。男性に浸透したのはアメリカで放送されたテレビドラマ『マイアミ・バイス』がヒットした影響です。ドン・ジョンソン演じる主人公が白いアルマーニのスーツに、エスパドリーユを合わせて話題になりました。1980年のことです。
現在では素材にバリエーションがあり、またシャネルなどが手掛ける高級ラインまで存在します。どのような商品を選ぶかは自由ですが、気軽に、気を遣わずに履くというのが似合うと思います。気分を大切にして履きたい、そうした時間を一緒に過ごしたい一足ではないかと思っています。
そうした思い入れを短いストーリーにしてみました。
ボーダーのエスパドリーユで、南国オヤジが出来上がる。
https://fashion-basics.com/mens-espadrille-dressing-3-point-8278
一年ぶりにエスパドに再会。楽園タイムが始まる。
このリゾートに通い始めて15年ほどになる。妻がいたころから、年1回の訪問をメドに仕事に打ち込んできた。ひとりになってからは滞在期間が長くとれるようになったが、ホテルのグレードは数ランク落とした。寝るだけなので、ファシリティさえ充実していれば、低床で庭が広い古いホテルで十分だ。
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チェックインすると予定通り荷物が届いていた。現地で知り合いになった友人に預けておいたものだ。中にはTシャツ数枚とビーチサンダル、そして数年前ここのショッピングモールで購入したボーダー柄のエスパドリーユが入っている。
彼のパートナーは気の利く女性で、訪問をメールしておくとTシャツを洗濯し、他の荷物も風をあてていれくれる。お陰さまで到着するなり、そっくり着替えてリゾート感たっぷりのオヤジが出来上がる。
ひんやりとしたインナーの感触が、心地いい。
そのまま前庭のテラスで一息入れていると、ガーデンスタッフから『こんにちは、いらしていたんですね。』と声をかけられた。以前彼が『素敵な靴ですね。』と褒められたことを思い出した。
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晩メシは彼らふたりと、現地の友人たちに招かれていた。まだ日焼けしていないので短パンはやめて、麻素材のゆっかりとしたパンツをロールアップし、エスパドリーユを履いてタクシーに乗りこんだ。乾季で風が心地いいんので、Tシャツの上にカーディガンをひっかけている。足元は陽気だが上質なニットを組み合わせればこうした席でも失礼はあるまい。
焼けた肌に似合う、とりどりのエスパドリーユ。
現地で暮らす友人たちは、みな短パンやワンピースから陽に焼けた足が伸びている。足元は様々だが、エスパドを履いている男女も見かける。少々派手な色や柄使いが多いのだが、こうした空気の中なのでウイた印象はない。焼けた肌に、この上なく似合っている。私もはやく日焼けしなければいけない。
https://www.pinterest.jp/pin/382594930834426860/?lp=true
朝の散歩、どっちを選ぶ。ビーサン or エスパド
時差はあまりないのだが、翌朝早く目が覚めたので近くのビーチまで散歩することにした。まだ暑さが登ってこないビーチはことのほか気持ちがいい。しかしどちらで出かけるかしばし迷った。ビーチサンダルかエスパドか。
http://www.365colors.com/?p=2132
というのもこの時期には珍しく明け方まで細かい雨が降っていた。ジュート底のエスパドが濡れるとなかなか乾かない。縮むと取返しがつかないとい聞いたことがある。一度ビーチを歩いていて 砂が入り込んでイラっとしたこともある。プールサイドも濡れる場合が多いので、ビーチサンダルの方が適していることが多いのだ。エスパドは取扱いが面倒な面がある。それもコミで、独特の解放感を味わえるかどうかなのだ。
https://bali.navi.com/special/5032015
帰国の前に思う。来年は誰と過ごす、誰と選ぶ。
https://fancy.com/things/594854235976242825/Gatsby-Fez-Espadrilles-by-Stubbs-%26-Wootten?ref=mmmpub
置きっ放しだったエスパドを今回は持ち帰る事にした。友人たちとの時間をいっしょに過ごし、ぬるいビールを飲みながら太陽が落ちるのをともに待った。ここでの空気をもっとも共有できたのは、ボーダー柄のこのエスパドだ。日本で履くことはないかも知れないが、部屋にあればこの地とのつながりを感じることができるだろう
次回来た時は、新しいエスパドを買う事にしよう。気を遣わず、現地の空気にあった、少し派手な色か柄がいい。ショッピングモールでもいいが、現地の人が行くようなスーパーマーケットで見つけるのも楽しそうだ。ひとりで探すのか、それとも。
地中海発 ブランド紹介
エスパドリーユに特化したブランドがなかなか見つかりづらい事や、現在では様々なブランドが参入していることから選定に悩みました。シャネルやディースクエアード、グッチなどのハイブランドの商品は確かに魅力的なのですが、上にあるショートストーリーの気分を感じさせる2ブランドに絞りました。
カスタニール(Castañer) スペイン
https://item.rakuten.co.jp/agio-aj/220pablo18002wbeige/?scid=af_pc_etc&sc2id=af_109_1_10000745
冒頭に書いたように、サンローランがヒットさせたウエッジソールのハイヒールサンダルの製造協力したことから注目されました。当時の資料は見つかませんが、現在の商品はそれまでの取り扱いづらさを解消しスリッポンシューズといった、しっかりした作りに進化しています。
https://item.rakuten.co.jp/agio-aj/220pablo18002wbeige/?scid=af_pc_etc&sc2id=af_109_1_10000745
アッパーのキャンバスは洗いを入れているため、縮みを気にすることなくこなれ感が楽しめるようです。インナーにもソールが敷かれているため、ジュートのチクチクも気にならない。しかも箱入り・・・・。上品な生成りなので、薄い色目のデニムに合わせたてビアパーティに行ってきます。
ザバッテーリ(Zabattigli) カプリ島 ※イタリア
http://www.capriblue.com/pagina_column.php?11533410168
カプリ島でエスパドを専門に作っているというザパッテーリは、この洗練されていない素朴さに惹きつけられます。ソールを巻き付けただけのソールは長く歩くにはツライだろうなと思いますが、その日の暑さを足裏から感じることができます。足元から自然とひとつになれるという貴重な体験を味わえます。
https://deskgram.org/p/1543265720226058450_2212389138
しかし、インソールには柔らかめのコットンが縫いつけられているので、蒸れなどの不快感も軽減されるのではないかと思います。カプリという地中海ならではに空気感をまとっているような色調も心地いいほどです。そして袋入りというのもイイ。開けたとき、どんなニオイがするのか楽しみです。
健康的な不良 そんな着こなしが似合う。
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エスパドリーユをジャケットパンツの着こなしに取りいれ、ヌケ感を作る。解禁シャツの開放感が似合う。白のグルカショーツでコロニアル風。どれもハマる気がするのですが、その前に考えたいのが健康的な足のではないかと思っています。
https://id.pinterest.com/pin/305048574751503597/
スポーツすることで適度な緊張感を備えたふくらはぎ、それなりに遊び経験してきた足首、過ぎない陽焼け。そして笑顔をはじくような白のTシャツ(ポロシャツ可)。時間帯として日中よりも太陽が西に傾きかけた頃。大人になり切れない友人から誘いのメールが届いたら、履いて出かけましょう。
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