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男の嗜みとしての3種類の革靴「Uチップ」。英仏米の注目モデルを着用写真付きでピックアップ。

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詳しくは後述しますが、Uチップほど生産されているお国柄の違いがでるデザインもないのではと思っています。大別するならば、英国系、フランス系、アメリカ系。この3タイプに分けることが出来そうです。その理由を調べてみると、それぞれの成り立ちに違いを見つけることが出来ました。

そうした系譜を知れば知るほど、男の嗜みとしてこの3タイプの必要性に納得がいくはずです。国別にブランドを整理し、代表的なUチップを見比べてください。既にいずれかお持ちの方であれば、次はどのタイプにするのか。また初めての相棒を探している方にも、参考になるはずです。

U チップとは略称、正式名称は国よって異なります。

https://blog.goo.ne.jp/ningbo96/e/c1934f53e1bff5116cefdbe5ab8bf6ec

Uチップと呼ばれる所以は、その形状・デザインにある事は容易に想像できます。トゥ部分を一文字に切り返しやメダリオンでアクセントを施したものがストレートチップと呼ばれるように、甲部分の縫い模様をしてその呼称が授けられました。足入れし、上から覗くと他のデザインでは得れない存在感を感じることが出来ます

英国ではカントリーシューズという位置づけ

http://artigiano.p-kit.com/page352555.html

イギリスでは「エプロン・フロント・ダービー」または「ノルウィージャン・ダービー」などと呼ばれています。1930年前後にカントリーシューズとしてスタイルの原型が完成します。つまり働く靴として誕生し、各ブランドがそれぞれの意匠を加えながら進化していきます。

他国の同デザインにはあまり見られない特徴が、つま先のセンターシームです。このひと手間を加えることでU 字部分のカーブを深くすることにでき、シャープな表情を作り出すことに繋がりました。ブランドによってはコバ部分の張り出しを狭くすことで、さらにドレッシーな印象を足すことに成功しています。

その代表格がエドワードグリーンのDoverですが、詳細は商品紹介で。

フランスでは狩猟靴として誕生しました。

http://shop.pheb.jp/shopdetail/000000001013/

 

フランスでは狩猟を意味する「シャッス(Chasse)」などと呼ばれています。英語ではChase(チェイス=追跡・追いかける)となります。U字を構成するモカシン縫いの位置を高く、他国のものよりつま先部分が丸く、愛らしい印象を残しています。

トウ部分のセンターシームは無いものも多く、デザインよりも実用性を重んじたためだと思われます。パラブーツのシャンボートはその代表ですが、ラバーソールを装着することで歩行性をより高めました。JMウェストンのゴルフも同様に、その汎用性の高さから大戦以降、街にも一気に広がりました。

アメリカではゴルフシューズとして広がりました。

http://thesolebar.com/?pid=105670674

現在ではゴルフシューズと言えばスニーカータイプが主流ですが、20年ほど前まではストレートチップやウイングチップが当たり前でした。当時はスポーツメーカー(ナイキやアディダス)ではなく、フットジョイやジョンストン&マーフィなどのシューズブランドがゴルフシューズも製造していました。

http://thesolebar.com/?pid=105670674

イギリスで誕生したゴルフは、クラス(階級)に基づいたルールが重んじられるスポーツです。しかしアメリカではルールは尊重されるものの、よりスポーツとしての側面が取り上げられてきました。動きやすい服装が主流になり、そうした流れに沿って、運動する靴=動きやすいUチップが浸透して行ったのかも知れません。そしてスポーティなフォルムはグリーン以外にも広がっていったようです。

しかしアメリカ固有の呼称は見つかりませんでした。

 

代表的なモデルをピックアップ。お好みの3タイプを選んでください。

https://blogs.yahoo.co.jp/jtdnc676/40257745.html

もちろん黒という選択もアリですが、Uチップの場合その成り立ちが背景にあるためかブラウン系のほうが似合うような気がするのです。単なる思い込みでしょうか。タイトルのように代表的なモデルをタイプ別にぴくアップしてみました。ご自身のご都合や好みの服装との相性を考慮しながら選んでください。

英国代表 エドワードグリーン ドーヴァー

https://koccmusic.com

ドレス、カジュアルともに合わせやすいスタイルで、エドワードグリーンの中でも1、2を争う人気のモデルだそうです。アッパーにスエード使ったモデルやダイナイトソールを装着した、よりカントリーライクなものまでバリエーションも豊富です。少し重量感雄あるコートとの相性が良さそうです。

 

英国代表 クロケット&ジョーンズ モールトン

http://kamitouriciao.blog69.fc2.com/blog-category-10.html

シンプルなデザインなので汎用性が高く、ドレスからビジネスにと活躍してくれる顔つきです。グリップ製の高いリジッドソールはカントリーシューズの名残でしょうか。雨の多いロンドンでも、もちろん日本でも心配無用です。バーバリーのヴィンテージコートが似合いそう。傘はささずに。

 

フランス代表 JMウェストン ゴルフ

多くの新聞記者などに愛され『ジャーリストシューズ』のニックネームを授かるほどアクティブなゴルフ。少しくたびれたスーツであっても理知的に格上げしてくれるはずです。ついた傷さえ男の勲章ですから、クリームを塗りこめば誇らしく輝きます。男だけが許された酒場に連れていきましょうか。

フランス代表 パラブーツ シャンボード

https://store.shopping.yahoo.co.jp/crouka/parabom-710708.html

タフな印象でありあながら、コバ部分のステッチがなんとも愛らしい。このミスマッチが人気の理由でしょう。さらに赤に近いリスレザーの光沢感が、誘惑します。ロールアップしたデニム、チノさらに軍パンでもキマリます。フランス靴でありながらアーガイルソックスが見事にはまります。

アメリカ代表 オールデン Uチップ

https://www.tf-style.com/shop/371/topics/194720/

カーフ使いもあるようですが、オールデンと言えばコードバンモデルをお勧めします。アメリカ靴らしい重量感、無骨さは男のアイテムにもっとも相応しい要素です。履きならしに時間がかかると言いますが、根性をきめて立ち向えば寄りそってくれる優しさもあります。コットンスーツ、色はあベージュ、パンツは尾錠付きで仕上げましょう。素足履きというのも憎い。

 

アメリカ代表 アレンエドモンズ ウォルトン

アレンエドモンズは歴代大統領(オバマ氏までは確認済み)にも愛用されてきた、アメリカンファーストなシューズブランドです。そのような理由やトゥ部分のあしらいなどに、品格が漂います。しかし他国のUチップと比べると重厚感があり、アメリカ人のがっしりとした体格でも支えてくれそうです。ジャケットスタイルでも無難に決まります。

日本からは2ブランドを紹介

三陽山長 勘四郎

http://www.sanyoyamacho.com/voice/2017/02/post-165.html

ロングノーズでありながらウィズを広めにとってあるため、エレガントでありながら使いやすさも兼ね添えています。日本製ハイブリッドの真骨頂といった機能性は何とも誇らしい。コバがやや目立つデザインなのでクラッシックな装いをアップデイトしてくれます。

 

スコッチグレイン Uチップ

https://myfavoritegoods.net/scotchgrain-aging-challenge/

日本製でありながらヨーロッパ目線な靴作りといった印象がスコッチグレインにはあります。製法はもちろんですが素材選びにも審美眼が生かされています。写真の4足はどれも10年以上使用されているものらしいのですが、エイジングがいい味を醸しだしています。細いトゥデザインを生かして柔らかいウールパンツ、夏の装いを華やかにしてくれます。白い麻シャツを羽織って。

3種類といわず、頼りになる相棒を見つけて欲しい。

https://strasburgo.co.jp

ここで紹介できたのは、ほんの一部にすぎません。ブランドごとに解釈の違うUチップが用意されているので、3種類で済まないかも知れません。それだけ懐が深いデザインなのでしょう。

また傷付けたとしても、それが味わいに変わるという他のデザインではあり得ない特性があります。そもそもカジュアルな出自ではあるので気を遣わず馴染ませしょう。頼りになる、もっとも出番の多い一足になりますね。