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「ジャランスリワヤ」高いコストパフォーマンスと作り手の良心が紡ぐもの

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雑誌やムック本でジャランスリワヤが掲載されると、決まって賞賛されるのが『高いコストパフォーマンス』という事です。リーズナブルな価格と材質や製法とのバランスを比べると、確かにうなづけます。しかし評価されるべき点はそれだけか?違う観点で調べてみました。するとアジアに暮らす民ならではの真面目さ、探究心、つまり作り手の『良心』が見えてきました。

確かな技術と、高いこころざしがジャランスリワヤを成功に導いた

https://www.imn.jp/post/108057197595

アジアは世界の工場であると言われています。原材料の調達だけでなく、その加工そして輸出など、主に中国が主体となりアジアの製造業は成長してきました。

ファッションの世界でも同様で、ユニクロやZARAなど多くのファストファッションメーカーは中国やインドネシア、バングラディシュの工場に製造を依頼することでコストパフォーマンスの高い商品を生み出し事業を拡大してきました。アジアの安い人件費は、消費者にとってもうれしい価格となって店頭を賑わせます。

しかし、並ぶ商品に作り手の『こころ』を見つけることは難しいのではないでしょうか。その理由のひとつだと思うのが、工場が担っているのは『作業』であって『仕事』ではないということです。

依頼された内容を、より効率よくこなして納品する。そうした作業の連鎖に『商品への愛着』は期待できません。コストパフォーマンスは維持できますが、それ以上の魅力は期待できそうにありません。

https://www.t-w-c.net/topics/detail/?id=103

ジャランスリワヤが選んだ道は『作業』ではなく『仕事』だったのではないでしょうか。本社のあるインドネシアもオランダや日本の植民地だった歴史があるので、その主宰国の工場として機能した時代があったのかも知れません。

そうした経験があったためでしょうか、自社工場を持ち、独自ブランドを立ち上げ『仕事』を育てる道を選びました。そして現在のような成功をつかむことになったのです。『仕事』を支えるには技能とこころざしが必要です。

http://diaryfromindonesia.blogspot.jp/2016/03/jalan-sriwijaya-2.html

詳細は後述しますが、技術の取得のためノーザンプトンでの修業を重ねました。素材選びのスキルも学びました。強いこころざしはまじめな国民性と信心深さにあるようです。

日本のセレクトショップとの連携が道を拓いた

http://store.united-arrows.co.jp/shop/by/goods.html?gid=1964709

もうひとつジャランスリワヤ成功の一翼は日本のセレクトショップが担っていると思うのです。前述のような『確かな仕事』は日本のセレクトショップの『別注』を受け入れることで知名度と認知度を得ることになります。

その完成度に対してアンバランスとも言える価格設定は疑念と驚きを生みますが、しだいに賞賛と歓迎に変わっていきます。作業だけではない、確かな技術を提供して見合う利益もいただく。商品に添えられた『こころ=良心』が届けられた証ではなかったでしょうか。

しかし、そこに至る経緯は創業100年余ジャランスリワヤの歴史がたどった必然だったようです。

ジャランスリワヤの歴史 技術の習得と信心深さが経済的支配からの独立につながった

http://boq.jp/hp/jalan-sriwijaya/brand.htm

ジャランスリワヤはブランド名で、製造する会社名はフォルトナシューズです。現在もインドネシア第3の都市バンドゥンに本社を置き、当該ブランドの他にも広く革製品を製造販売しているようです。

創業は1919年ですから100年の歴史があります。当時はオランダの植民地であったことから、ミリタリーシューズを作りをスタートします。古くからバンドゥンは繊維など衣類に関する産業が盛んでしたから、関連する皮加工・靴製造は身近な事業だったのでしょう。

http://boq.jp/hp/jalan-sriwijaya/brand.htm

その後、サンダル作りが軌道に乗り、事業は拡大していきます。第2次世界大戦ではインドネシアは日本の統治下に置かれますが終戦とともに独立、バンドゥンは繊維業を中心にインドネシア第3の都市へ躍進していきます。

国としては独立したものの、経済的な自立には時間がかかります。繊維産業の多くは他社製品の下請けやOEMなどに活路を求めながら生活を支えていきます。経済的な支配関係は現在まで続くことになります。そうした産業構造は非難されるものではありませんが、フォルトナシューズ社は違った道を選択します。

『戦争は終わった。これからは平和の時代だ。』

http://blog.livedoor.jp/garden696/archives/52422082.html

それは、作り手の価値を消費者に届けること、作り手の良心を商品に乗せることでした。事業を引き継いだ2代目はしかるべき技術を身につけるため、紳士靴の聖地ノーザンプトンの修行に向かいます。その後フランスに移り、老舗タンナーとの関係を深めることに努力します。その後帰国、そして2003年ジャランスリワヤというブランドを誕生させます。

ジャランスリワヤの特徴 確かな技術と縫いこんだ良心が商品を輝かせる

https://www.jtb.co.jp/kaigai_guide/report/ID/2017/12/bandung-charm.html

ブランド名のジャランとは道とか通りという意味です。本社工場の近くの『スリワヤ通り』から命名したように、地域ブランドとしてのプライドが込められているように感じます。本社工場は現在もバンドゥン市街にあり、ショールームを備え日本向けなどの製品が作られています。

ジャランスリワヤ最大の特徴は、イギリス靴を思わせる堅牢なデザインと,それを支える確かな技術『ハンドソーンウェルテッド』を施していることです。堅牢といいましたが、確かな材質を惜しみなく使うことで起伏に富んだデザインも生み出します。

http://www.p-standingup.com/jalan-sriwijaya%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%A9%E3%83%B3-%E3%82%B9%E3%83%AA%E3%82%A6%E3%82%A1%E3%83%A4-c-14_35.html

革素材の修行先であったフランスではデュプイ社との確かな関係を築いてきました。紳士靴の基本的なデザインはほ揃っていると言えるでしょう。ですから気になるデザイン、欲しいデザインがあれば、サイズと材質を希望することで満足の1足が見つかるという事です。

そして、そして最大の特徴というか武器、いや良心が価格設定です。インドネシア第3の都市とは言えど、安い人件費を確保することができます。古くから繊維産業などもの作りが根付いた街ならではの個性があります。そして宗教を持つことが当たり前という信心深さが確かな真面目な製品作りにつながります。

http://www.dug-corporation.co.jp/geek/brand/Jalan%20Sriwijaya.htm

イギリス靴と見まごうほどのクオリティを持ちながら低価格の製品が生まれ、作り手の『こころ』が縫いこまれ商品となって消費者に届けられる。良品のあるべき姿に気付かされた感があります。

バンドゥンは首都ジャカルタから車で3時間ほどです。最近は繊維工場がファクトリーアウトレットを定期的に開催しており、ジャカルタ市民がまとめ買いに訪れるようになったとか。最近は外国人にも好評なのそうです。

http://diaryfromindonesia.blogspot.jp/2016/03/jalan-sriwijaya.html

ジャランスリワヤも自社工場にショールームを設置していてバイヤーだけでなく一般の方も購入可能で、日本人も多く訪れているようです。さらに格安で購入できるかも知れません。ただし交渉には英語またはインドネシア語が必要なので、日本の通販サイトを利用するのが賢明かも知れませんね。

商品紹介

http://burnish.hatenablog.jp/entry/2015/10/20/174907

オフィシャルサイトで紹介される商品のほかにも、大手セレクトショップや地方のセレクトショップの別注品まで手がけているため、アイテム数は数え切れません。もっとも代表的な商品を紹介させていただきます。もしご希望のデザインがあれば、問い合わせしてみてください。ご希望にかなう商品が見つかるはずです。

 JALAN SRIWIJAYA プレーントゥ 

ビジネスでもオフタイムでも黒のプレーントゥが1足あれば便利です。ダイナイトソールを使用しているため雨天でも気になりません。適度なクッションが効いて歩きやすさも備えています。同じデザインでバーガンディもあるのでそちらも。

JALAN SRIWIJAYA ジャランスリワヤ ストレートチップ ドレスシューズ 

プレーントゥよりもやや鋭角なつま先ですが、軽率な印象はなし。むしろ男の色気をバックアップしてくれそうです。グレースーツに白シャツ、ブラックタイなどシャープな装いにハマリます。

JALAN SRIWIJAYA  コインローファー

説明不要でしょう。細身のパンツ(ジーンズ可!)の丈を短く仕上げ、素足にこのローファを仕込めば若々しい印象が伝わります。もちろん場面を考慮すればオフィススタイルにも問題なし。こちらは色違いや素材違いが多様です。全部、揃えたい?

JALAN SRIWIJAYA 98472/ウイングチップ

有体に言えばカントリーテイストあふれるウイングチップです。重量感があるので秋口からの装いにいかがでしょう。夏前からクリームを塗りこみ、こなれ感が出るまで数ヶ月は辛抱が必要です。ツイードや厚手のツイルなど素材どおしのバランスを楽しみましょう。

JALAN SRIWIJAYA 98440/チャッカブーツ 

チャッカブーツは1足あると、とても重宝します。しかもトゥ部分に丸みを持たせたこのようなタイプはシーンや季節を問いません。カモフラ柄のパンツからビジネス向けのパンツまで守備範囲が広いのがありがたい。色違いでそろえれば迷うことなし。

初めての革靴 ともに歩む相棒としてジャランスリワヤを選ぶ

http://fringefringe.jugem.jp/?eid=4276

オフィシャルサイトを見ると、レディースのコレクションも充実しています。ボリュームのあるパンツやスカートにメンズライクな靴を合わせる女性って素敵です。奥さんや大切な人と、足元ならおそろいで揃えるというのもアリでしょう。また新社会人や新成人のお祝いに選んであげると、喜ばれると思います。どちらも足元がしっかりしていれば転ぶことも少ないでしょう。