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国別(英、伊、米)の特徴を解説!スーツの基本シルエット3種類。
イギリス発祥のスーツは世界中に広まり、それぞれの国ならではのスタイルに変化していきました。なかでも、スーツの代表的なスタイルは大まかにブリティッシュ、イタリアン、アメリカンに分かれます。ビジネススーツの場合、基本のブリティッシュスタイルであれば格好良く失礼のないスーツスタイルを実現できます。また、イタリアンスタイルについてはプライベートのオシャレ着として用いるのが良いです。日本人に人気のあるアメリカンの場合は、カジュアルテイストが強いですのでプライベートや職場の気風に合わせて取り入れるのが良いでしょう。この分類はずいぶんおおざっぱで、世界3大スーツと呼ばれるブリティッシュスタイル、クラシコ・イタリア、アメリカン・トラディショナルとはまた意味が違ってきます。今回はそれも踏まえながら世界のスーツスタイルを紹介していきます。
ブリティッシュ(イギリス)スタイル
イギリスのスーツは本来、スポーツチームのユニフォームのような役割がありました。仲間同士が衣類に同じデザインのものを身に着けるのはレジメンタルネクタイやタータンチェックなどもそうです。スーツは貴族紳士のたしなみであり鎧のような男性らしいスタイルが好まれました。
保守的で変化が少ないのがブリティッシュスタイルのスーツと言われますが、それでも時代によって変化があります。現在、一般的にブリティッシュスタイルとして提供されるスーツは1930年代から1940年代に流行したイングリッシュ・ドレープと呼ばれるシルエットを元にしている場合が多いです。
イングリッシュドレープは、厚い肩パッドの入った肩から厚い胸板を体現するドレープが大きいチェスト、高い位置にあるタイトなウエストラインにフレアする裾、前裾のカットが大きめのカッタウェイフロントになります。またジャケットの袖口やトラウザーズの裾はやや開き気味になります。
ディティールでは高いゴージライン、深く切り込んだセンターベントが特徴です。また、スラントポケット、チェンジポケット、サイドベンツなどもブリティッシュスタイルで用いられるディティールとして知られています。
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コンチネンタル・スタイル
コンチネンタル・スタイルは米国型に対する欧州大陸型のスタイル全般を指します。欧州大陸型のスタイルではジャーマン、フレンチ、イタリアンが代表的です。
ジャーマン・コンチネンタルはドイツの気風が反映された保守的・堅実なスタイルです。基本的には機能性、実用性重視ですがきっちりした直線的なシルエットは高潔な雰囲気を醸し出します。イメージとしては軍服のような堅さがあります。
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一方、モードの最先端であり、流行を常に生み出し取り入れるフランスですがスーツの場合はこれと言った特徴がありません。フレンチ・コンチネンタルの場合はドロップショルダーや曲線シルエットなどが特徴として挙げられていたこともありましたが、現在では様々なスタイルを取り入れたオシャレなスーツと言った印象です。
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イタリアのスーツの大まかな特徴としては、多種多様な色柄、細い糸を使った柔らかく軽い生地、腰のラインで男性らしさを強調するためジャケット丈は長め、ウエストラインは体に沿ってやや曲線的、テーパードのトラウザーズ、左胸ポケットは曲線的なバルカ(小さな船)などが挙げられます。
特にイタリアン・コンチネンタルとされるものは1950年代以前のローマ周辺発祥のスタイルで、幅広のスクウェア・ショルダー、幅の狭い衿、カッタウェイスタイル、浅いサイドベンツなどが特徴です。ジャケット丈は短めでタイト、トラウザーズはシングルでベルトなしのスタイルです。
また、イタリアは歴史的にフランスからスーツの製造を請け負い生産する一方、別荘をイタリアに所有するイギリス人からのオーダーも受けていました。現在ではファッションブランドを多く持つ商工業都市ミラノでプレタポルテ(高級既製服)、ス・ミズーラ(オーダー)が多いナポリがスーツの2大拠点として知られています。
ナポリのスーツは生地に直接チョークで描きながら体に合わせていく立体裁断のスタイルが有名です。女性服では伝統的に使われる手法なのですが、ある程度形の決まったスーツの世界では平面裁断が一般的です。ナポリの立体裁断の場合は個人の体型に合わせるというオーダーの特性を存分に発揮していると言えます。