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3日で400足売れたという日本上陸から20年。「TOD’S(トッズ)」はますます加速する。

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TOD’Sと聞けば、多くの方はドライビングシューズを思い出すでしょう。象徴的な、ブランドを代表する商品ですが現在はバッグからアパレルまで展開するファッションブランドに勢力を伸ばしてします。しかしブランドとしてはまだ若い、という意外な面があります。

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日本での事業をスタートは1997年、新宿伊勢丹のインショップでした。シューズブランドとして既に有名で、各著名人にも愛用者が多くいたことも相まって上陸以前からその人気は加熱気味でした。それまでは海外で購入するか、並行輸入で手に入れるしかありませんでしたから、加熱する理由は理解できます。

https://www.crisalidepress.it/moda/tods-prima-boutique-copenaghen/

結果、オープン3日間で400足以上の記録的な販売実績を記録し、華々しい日本デビューとなりました。購入内訳までは把握できませんが、女性比率が大きかったのではないでしょうか。故ダイアナ妃が普段履きで使う様子が多くピンナップされ、そのアクティブでありながら上品で美しい姿を自分に重ねた人たちがこうした記録を作ったのかも知れません。

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もちろん海外事情に詳しい男性ファンも、その一翼を担っていたハズです。97年と言えばバブルが終焉し、同じイタリアンファッションでもクラッシックな装い、全体にタイトなシルエットが主役に成りつつありました。イタリア人の日常が雑誌などで紹介されると、カジュアルな装いの足元を支える鮮やかなモカシンシューズが目立つようになります。TOD’Sという、いかにも履き心地の良さそうな靴の存在にフォーカスが向けられすようになっていったのです。

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日本上陸から不動の人気確立までの経緯、ブランドの歴史を振り返りながら商品への理解を深めていきます。

TOD’Sが日本に託したスキーム。アジアへ、そして世界へ。

雑誌LEONの功績 or 功罪 イタリアおやじと言えばTOD’Sのドラシューという不文律が生まれた。

http://www.tods.com/it_it/tods-touch/presents/marlin-thesartorialist/

2001年『もてるオヤジの作り方』をコンセプト?にした雑誌『LEON』が創刊されると、TOD’S人気は一気に男性層を取り込みます。イタリア人スナップを真似た、いや参考にした『ちょい悪オヤジ』が巷に増殖し始めます。彼らはTOD’Sを代表するドラシュー=ドライビングシューズ『ゴンミーノ・モカシン』を素足履きしていました。

雑誌のコンセプト実現のために、TOD’Sを初めとするイタリア発ハイブランドを身に付けるという輩も居たにはいたでしょう。しかしバブル以降消沈していたよどみを晴らしてくれる薬効を、『LEON』ブランドに求めたという見方もできます。

バブルというと、浮かれた時代を揶揄するように捉えるむきもありますが、一方様々な価値が交錯し日本が世界標準に近づくきっかけになれた期間だと読み解く評論もあります。ですからTOD’Sが真にクオリティの高い商品でなければ一過性のブームで終わったと思います。その後の躍進につながってはいません。

http://www.tods.com/it_it/tods-touch/presents/marlin-thesartorialist/

『LEON』というチャンネルだけでなく、情報発信の基軸はインターネットに移行し始めていました。現在それはSNSという新しいメディアを生み出し、より自由に情報交換できるようになっています。そうした波をうまくとらえTOD’Sの人気は加速します。しかし、その起点は日本にあり、カギを開けたのが『LEON』ではなかったという見方は乱暴すぎるでしょうか。

TOD’Sのドラシューはイケてるオヤジに必須アイテム、複数持ちも当たり前という噂がまことしやかに流れるほどの大きなうねりが見れた時代でした。

世界へ 2004年 世界最大規模のブティックを表参道にオープン

http://www.tods.cn/zh_cn/tods-touch/presents/tods-marlin-hyannisport/

日本での手応えを感じたTOD’Sの行動は鮮やかでした。2004年には、タイトルのような大きな展開を仕掛けます。日本上陸の97年からスタートさせたバッグ部門の人気が定着してい事もあり、日本市場を基軸としたアジアへの浸透、世界への進出へのスキームが始動したのです。

東京から始まった日本進出は大阪や福岡へと規模を広げていきます。日本人マーケットは着実にひろがり成熟していきました。しかしTOD’Sはシューズとバッグ中心のブランドかアパレルまで展開すファッションブウランドへ転身していくことで、顧客を飽きさせることなく、また新たなファン作りに邁進しています。

現在日本で15店舗展開するTOD’Sにとっての顧客は日本人だけではないようです。中国や広くアジアから訪れる観光客需要も大きいのだと聞こえています。そうした好機に『日本限定ゴンミーノ・モカシン』というプレゼントをTOD’Sは仕掛け、大きな話題作りと成功に結びつけました。

ドライビングシューズのイメージが強いTOD’Sですが、確かなモノ作りの精神は他のデザインやバッグ作りにも生かされています。革小物のトータルプレゼンテーションとしてメンズラインも充実しています。ビジネスでも使えるウインチップやバッグも選択肢が増えています。

https://www.pinterest.jp/pin/81205599509388678/

バッグや靴を、パートナ―とお揃いで楽しむ事が出来るのもTOD’Sの魅力です。過ぎないデザイン、控えめなロゴの刻印、質感の高い素材など、このブランドでしか味わえないものばかりです。背景にはブランド確立以前の歴史にカギがあるようです。

華やかな歴史 イタリアの大富豪デッラ・ヴァッレ家がTOD’Sを牽引する。

大富豪のプライベートブランドとして始まる。

http://www.tods.com/ja_jp/tods-touch/presents/tods-marlin-hyannisport/

イタリアの大富豪デッラ・ヴァッレ家が1920年代にシューズの製造をスタートさせたのが始まりで、この時点ではTOD’Sと名乗っていません。徐々にビジネスを拡大させ、どこの傘下にも属することなく現在でもデッラ・ヴァッレ家のファミリー企業となっています。もともとはEMA社と名乗っていましたが、誰でも、どこの国の人でも呼びやすいTOD’S(トッズ)に変更しています。

https://www.pinterest.jp/pin/427630927088541313/

1979年、TOD’Sとして実質的なスタートを切りますが、その際に発売されたのが底に133個のゴム突起を付けた1枚革のモカシン『ゴンミーノ・モカシン』でした。1960年に既にあった原型をアップデイトさせたものでしたが、軽快でフィット感がウケてヨーロッパを中心に支持を集めるようになります。

トッズにおけるモノ作りの特徴は、多くの工程を経ること、妥協のないこと。大富豪ならではの視点で、経営効率よりも納得できる完成度に重点を置いていることです。当然クオリティは高く、高価格になりますが、それでも理解し支持してもらえる顧客に届けたいという信念があります。

1979年TOD’Sブランドが始動。妥協のないモノ作りを継続している。

https://www.pinterest.jp/pin/426293920951031052/

以前はジャンフランコ フェレ、クリスチャン ラクロワ、ロメオ ジリ、カルバン クラインなどとライセンス契約を結び靴を供給していたこともありましたが、いまでは特別な例外を除いてWネームなどには対応していません。

http://www.afpbb.com/articles/modepress/3147311

その後の活躍では、1997年、バッグのラインをスタート。新宿の伊勢丹にショップをオープン。2001年、フェラーリとコラボレーション「トッズ・フォー・フェラーリ」というプロジェクトをスタート。2004年、表参道に、けやきの樹をモチーフにした世界最大級のブティックをオープン。などなど活躍の場を広げています。

また、2006年からはプレタポルテ部門を立ち上げ、総合アパレルブランドとして確固たる地位を築いています。そして現在はホーガン(HOGAN)やフェイ(Fay)もグループに加えるほどになっています。

名品たち 選びきれない名作ぞろい

レザー ドライビングシューズ フェラーリ コラボ

定番の『ゴンミーノ・モカシン』では差別化できないという方にフェラーリとのコラボ企画を提案します。くれぐれもスピードの出し過ぎに注意してください。

外羽根式 ウィングチップ シューズ

オンオフ関係なく使いやすいレースアップシューズですが、注目して欲しいのはアウトソール部分です。存分にTOD’Sらしさが味わえます。

スエードチャッカブーツ

チャッカタイプのドライビングシューズという趣です。こちらもアウトソールに特徴があります。1泊の週末デートに車で向かう。きっと楽しいドライブになります。

コインローファー

ビーフロールで仕上げたカジュアルなローファ―ですが、細身のフォルムを採用することで大人顔に仕上がっています。ソールはラバーということは、ドラシューの兄貴的存在ですね。

スニーカー

最近こうしたボリュームスニーカーもしくはダッドスニーカーが注目されています。ハイブランドのジャージに合わせたり、8分丈のパンツにアクセントを与えたりと活躍の場が広がっています。気になるスニーカーです。

イタリア名門一家のファミリー気分を味わう。

http://www.tods.com/ja_jp/tods-touch/presents/tods-marlin-hyannisport/

TOD’Sのオーナーであるデッラ・ヴァッレ家のもう1つの顔は、かつて中田英寿選手も所属したイタリアのプロサッカーチーム、AFCフィオレンティーナのオーナーだということです。2002年にフィオレンティーナが破産すると経営権を買収してチームをサポートし、セリエC2のポジションから最速でセリエA昇格させました。その後も順調に成績を伸ばし、名門としてヨーロッパで活躍しています。

https://www.raffaello-network.com/english/fashion-details/365840/73/Tods%20Mens%20Shoes.html?utm_source=stylight&utm_campaign=stylight_us

フェラーリとのコラボレーションやサッカーなどのスポーツチームの運営まで手腕を発揮するデッラ・ヴァッレ家は真の意味での豊かさを表現しています。TOD’S商品を手にすることは、そのエッセンスを共有することにつながります。ドラシューの次はビジネス向けのオックスフォードを、そして見合ったバッグも。おだやかで、豊かな気分を味わえます。

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