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腹筋の消費カロリーは?計算方法や効率良く消費する鍛え方をご紹介!
腹筋で本当にたるんだお腹を引き締めることができるのでしょうか?この記事では、腹筋運動によるダイエット効果の検証、効率的にカロリーを消費するための腹筋のポイントなどについてまとめているので、ポッコリお腹をなんとかしたい方は、ぜひチェックしてみてください!
目次
腹筋の気になる消費カロリーとは
ダイエットをするときに気になるのが消費カロリーです。腹筋運動で消費できるカロリーはどのくらいなのでしょうか?
腹筋の消費カロリーの計算方法
腹筋運動の消費カロリーの目安は、体重1kgに対して約0.1485kcal/分です。たとえば、体重80kgの人が1分間腹筋をすると、11.8kcal消費できるという計算になります。消費カロリーの計算は誤差が大きいので、あくまで「目安」としてとらえましょう。
そのほかにも、メッツ(METs)という単位を用いる計算方法があります。厚生労働省の指針でも用いられているメジャーな計算方法です。この方法では、腹筋に限らず腕立て伏せやスクワット、背筋などは「自体重を使った軽い筋トレ=3.5メッツ」として計算します。
運動をしていない安静時を1メッツとし、安静時に比べてどの程度のカロリーが消費されるかをメッツの数値で表します。計算式は【メッツ × 体重(kg) × 時間 × 1.05 = 消費カロリー(kcal)】です。ここに数値を当てはめていきます。
たとえば、筋トレのは3.5メッツとされているので、体重70kgの人が30分腹筋をしたときの計算式は下記のようになります。
※体脂肪燃焼に必要なエネルギー消費量を求めるには、安静時のエネルギー消費量を引いた値を算出します。
例:70kgの人が30分腹筋運動をした場合の消費カロリーの求め方
(3.5メッツ-1メッツ) × 70kg × 0.5時間 × 1.05 = 91.8755kcal
脂肪1キロを落とすのに必要な消費カロリー
脂肪1gを燃焼させるために消費されるカロリーは9kcalです。人間の脂肪には、脂肪以外にも2割ほどの水分や細胞の材料などが含まれているため、この分を差し引いて考えると、体についた脂肪1kgを減らすために必要な消費カロリーは「9kcal × 1000g × 80% = 約7200kcal」です。
ということは、体重70kgの人が脂肪を1kg減らすために必要な腹筋の時間は、単純計算ですが約39時間の腹筋が必要という計算になります。毎日10分欠かさず腹筋すると234日かかる計算です。半年以上毎日腹筋を頑張って燃焼できるのは1kg分と考えると、腹筋でのダイエットはなかなか大変な道のりに思えます。
ちなみに、フルマラソン(42.195km)を1回分完走したとしても、その消費カロリーは2,500kcalです。つまり、1日中マラソンをしていたとしても脂肪1kgを燃焼させる消費カロリーには及びません。カロリー管理を気にかけるなら、消費分だけではなく食事でのカロリー制限も取り入れたほうが効率的です。
メニューや体重による消費カロリーの変動
ここまで、腹筋運動で消費できるカロリーについて説明してきましたが、消費カロリーは計算方式や体重の値だけではなく、年齢や性別などによっても大きく変動します。つまり、正確な消費カロリーをはかることは難しいということです。
さらに、「腹筋」と一口にいっても、上体のみを起こす腹筋を行うのか、足も引き付けながら行うのかなど、どのような腹筋を行うのかによっても消費できるカロリーは異なります。負荷が高ければ同じ時間でも消費カロリーが多くなり、低ければ少なくなります。消費カロリーは目安にはなりますが、そればかりにとらわれないように気を付けましょう。
腹筋はダイエットに効果的?
運動では多くの脂肪を燃焼させるほどのカロリーを消費することも、正確に計算すること自体も難しいということがお分かりいただけたかと思います。では、腹筋をしてもダイエット効果はないのでしょうか?
普通に腹筋するだけではカロリー消費は期待できない
目安となる計算上、体重70kgの人が30分腹筋をすると91kcal消費できます。しかし、普通の人が30分間腹筋を続けるということは不可能に近いのではないでしょうか。
一般の人の場合、腹筋は1分間でもキツイと感じるレベルの負荷です。1分間で10kcal程度消費するとして、10セット行えば100kcalほどの消費カロリーになります。地道に行えば確かにカロリーを消費できますが、計算上は簡単でも実際にこれほどの腹筋ができるかといえば難しいのが実情です。
腹筋運動はつらいわりには、消費カロリーが少ない運動といえるかも知れません。そのため、体重減少を目的としているのなら、腹筋は普通にするだけではあまりカロリー消費は期待できません。
消費カロリーは少なくてもポッコリお腹には効果的
消費カロリーは少ないですが、ダイエットに効果がないというわけではありません。腹筋運動は十分にダイエット効果が期待できます。
なぜなら、腹筋運動はポッコリお腹を引き締めるのに効果的だからです。腹筋をすることで下腹部の筋肉を鍛えることができます。日本人は下腹部の筋肉が不足していることが多いと言われていて、そのために便秘になったり、内臓がずれて下腹が出てしまったりする傾向にあります。
下腹部の筋肉を鍛えることで、筋肉がコルセットのような役割を果たします。内臓が正しい位置に押し上げられことは、ポッコリお腹を引き締めるために大切なポイントです。また、内臓が正しい位置にあると体幹が鍛えられ姿勢がよくなるため、インナーマッスルを鍛えることにもつながります。
筋肉量が増えて結果的に基礎代謝が良くなる
腹筋をすることで筋肉量が増えます。筋肉量が増えることで、体温を作り出すためにより多くのカロリーを必要とし、安静にしていても消費される「基礎代謝」の量が増えます。つまり、筋肉量を増やすと、太りにくく痩せやすい体質につながります。
体質を改善することはダイエットに非常に効果的です。年齢を重ねるにつれて、筋肉量や基礎代謝は落ちていきます。意識的に筋肉を増やすトレーニングや運動を行いましょう。
腹筋で効率よく消費カロリーを増やす鍛え方
腹筋運動は思いのほか消費カロリーが少ないことを説明しましたが、普通の腹筋ではなく、より効率的にカロリーを消費できる腹筋運動もあります。以下の点を心に留めながらトレーニングをすることで、より効果的にカラダを引き締めることができます。
腹筋トレーニングの時間と質
たとえば、5分を6セットで30分ずつ毎日トレーニングを行えば、腹筋をどんどん鍛えられそうですね。しかし、筋肉トレーニングはかける時間が長いほど筋肉が増えるとは一概には言えません。
腹筋のトレーニングで大事なポイントは3つです
- 時間の長ではなく質を重視したトレーニングができているか
- ペースを崩さずに継続的に行えているか
- 筋肉を回復させる時間を設けているか
ダラダラと長い時間をかけても、大変な割には思ったように筋肉は増えません。正しい方法で質の高い腹筋をしましょう。時間をかけ過ぎると腹筋をする時間と労力を確保することが難しくなったり、面倒になったりして、継続が困難になります。
ペースを守れるように曜日ごとにトレーニングメニューを考えておくのもおすすめです。最初に張り切ってメニューを詰め込み過ぎると、継続が難しくなります。最初は簡単に短時間でできるトレーニングを組んでおき、物足りなくなった時にメニューを練り直すとよいでしょう。
また、1日から2日の筋肉の回復時間を設けることで効率的に筋肉を増やすことが可能であるという見方が強いです。これを「超回復」といいます。
負荷をかけながら行う
ゆっくりと腹筋をすることで負荷を強くかけることができます。1回に数秒かけて10回腹筋をしてみると、たった10回でもきつく感じる方も多いでしょう。ポイントは、回数にこだわらずにゆっくりと腹筋に自分の限界まで負荷をかけ続けることです。
負荷が強くかかって筋肉が傷つくと、それを修復しようという作用が働きます。その際、同じような負荷に備えるために、筋肉が増強されると言われています。修復しようとしている途中に負荷をかけ続けると、どんどん損傷が進んでしまい筋肉が育ちにくくなる可能性があります。
限界を感じるほど強い負荷をかけたあとは、筋肉の材料となるたんぱく質をとりながら、腹筋を休ませてしっかりと回復させましょう。
腹筋を意識することが大切
何でもないことのようですが、特に大切なポイントは「腹筋を意識すること」です。はっきりと意識することで力が分散されず、鍛えたい場所を集中的に鍛えることができます。腹筋といえば、メインとなるのが「腹直筋」です。シックスパックを作る役割を果たす筋肉でもあるので、腹筋運動でお腹を割りたい方は、腹直筋に意識を集中すると効果が上がります。
腹直筋の両脇にあって肋骨のあたりから腹部に向かう筋肉は「外腹斜筋」といいます。そして、この外腹斜筋の奥にあるのが「内腹斜筋」です。内と外の2つを合わせて「腹斜筋」と呼ばれているこの筋肉を鍛えることによって、横腹を引き締めてくびれを作る効果が期待できます。
さらに腹斜筋の奥側には、腹巻のように両脇に横向きに走る筋肉「腹横筋」は、インナーマッスルと呼ばれている筋肉です。正しい姿勢を保つことや便秘解消、内臓を正しい位置に安定させる役割のある筋肉です。自分が鍛えたい場所に最適な腹筋の方法を選んで、細かく筋肉を意識しながらトレーニングを行うようにしましょう。
下腹を引き締めるトレーニング
ポッコリお腹が気になる方は下腹を鍛えると効果的に引き締められます。普通の腹筋はなかなか下腹には効きにくいので、足上げタイプの腹筋方法がおすすめです。以下に、下腹を引き締めるのに適したトレーニングをご紹介します。意識は腹直筋の下部に集中して行いましょう!
- 仰向けに寝転がります
- 膝を曲げます(肩幅ぐらいに開く)
- 腰の横の位置に手のひらを上にして置きます
- ゆっくりと足を上げる(膝が骨盤のうえあたりに来るまで)
- 息をできるだけ吐ききりながら、5秒をかけてつま先を床にタッチ
- 息を吸いながら5秒をかけて元の位置に足を戻す
背骨が床から離れないように正しいフォームをキープして、下腹の力だけで足を上げるようにします。膝を曲げずに伸ばしたままおこなうと、下腹により強い負荷をかけることができるので、慣れてきたら挑戦してみてください。
トレーニング法を動画でチェック
下腹を引き締めるためのトレーニングを詳しく動画で確認してみましょう。背骨や腰が浮いてないか、下腹を意識できているかなどを確認しながら丁寧に行うことがポイントです。
カロリー消費のため腹筋と合わせて行うと良いメニュー
腹筋に限らず、筋肉トレーニングなどの無酸素運動はカロリーを大きく消費することが難しいです。そのため、腹筋だけでダイエットしようとするのではなく、有酸素運動や食生活の見直しなども併せて行うことがカロリー消費への近道です。
メニュー①有酸素運動
お腹の脂肪は目立ちますが、お腹の脂肪だけを落とすということはできません。お腹を引き締めるためには、全身の脂肪を燃やす有酸素運動が必要です。有酸素運動といえば、ウォーキングやジョギング、サイクリングなどが代表的です。しかし、これらは始めるのも面倒、いざ始めたとしても続けるのも面倒…という方も多いのが現実ではないでしょうか。
そこで、おすすめなのが床に仰向けになり腰を持ち上げて足をグルグルとこぐ運動です。室内で寝ころんだまま自転車をこぐような運動ができ、部屋でゴロゴロしているときにも始めることができる手軽な有酸素運動です。腹筋にも効果があります。
ウェアやシューズを買いそろえたり、ジムに行ったりする必要もない、始めやすく続けやすい有酸素運動がおすすめです。上記の運動のほかにも、日常生活の中で階段を使うようにするなど小さな心がけでも有酸素運動は始められます。
メニュー②食事の管理
食事の管理は難しいようで、体重を落とすための手っ取り早い方法でもあります。カロリーを比較的消費しやすい有酸素運動の代表格であるランニングを例に挙げてみると、ランニングを30分した時の消費カロリーはポテトチップス1袋分程度です。
ランニングを30分行うより、ポテトチップス1袋を食べることを我慢する方が早くて簡単そうに思えるのではないでしょうか。実際、脂肪がついている原因には運動不足もありますが、酒類や菓子類、油脂類などの摂り過ぎによるカロリーオーバーに起因している場合が多く見られます。
しかし、一見簡単に見えて、習慣的に飲んだり食べたりしている嗜好品をセーブすることは難しいことです。強い意志がないと食事制限は続けられません。
このときに役に立つのが、運動をしてストレス発散をすることです。運動をしたご褒美にたくさん食べてしまっては逆効果ですが、好きなものを好きなように食べられないつらさを運動で紛らわすことができます。つまり、体を絞るには運動と食事制限の両方を実施した方がより効果的です。
メニュー③体幹トレーニング
カロリーオーバーはしていないはずなのに、なぜかお腹だけポッコリと出ているという人は筋肉量が低下して内臓の位置がずれてしまっている可能性があります。その場合には、お腹を引き締めるために大きな役割を果たすインナーマッスルを鍛える「体幹トレーニング」がおすすめです。
以下に、体幹を鍛えるための3分半でできるトレーニングをご紹介します。11種目を30秒ずつ行うものなので、初めはややこしく感じるかもしれませんが、覚えてしまえば簡単で取り組みやすいトレーニングです。就寝前にベッドの上でもできて手軽です。
- 下腹部を鍛える足上げ腹筋 ※「下腹を引き締めるトレーニング」の項参照
- 上体を起こして交互に膝を抱えるようにする(慣れたら両手を空中で横に広げる)
- 頭の後ろで手を組み、空中で屈伸するように足を曲げ伸ばし(足は床と平行を保つ)
- 肩甲骨が床から離れないように膝を左右に交互に倒す
- 仰向けで手と足を床につけないようにまっすぐ伸ばし、次に体を丸めるを繰り返す
- 横向きになって肘で体を支えて腰を上げ下げ。できれば、足を伸ばしてつま先で支える。難しければ膝をついて行う
- 仰向けで手を床について腰を上げ、片手を垂直に上げてキープ
- うつ伏せでバタ足。できるだけ上体をそらして足は速く動かす
- 6の反転バージョン
- 7の反転バージョン
- うつ伏せになって肩の位置に肘をつき、肩から足の先までが斜めの一直線になるようにキープ。お尻が上がり過ぎないように注意
この1~11までを各30秒間ずつ行い、最後に体を丸めてリラックスして終了です。たった3分半なので続けやすいです。集中して無理のない範囲で一気に行いましょう。
カロリー消費を目指して腹筋をするときの注意点
効果的に腹筋を行うための注意点を確認しておきましょう。ポイントを押さえておくことで、カロリー消費や筋肉の増加率をアップさせたり、ケガを予防したりすることができます。
注意点①筋肉痛がある時は無理に腹筋をしない
筋肉は強い負荷をかけることによって大きくなっていきますが、連続して負荷をかけ過ぎることのないように気を付けましょう。たとえば、腹直筋をメインに鍛える腹筋をしたら、次の日は腹斜筋にはたらきかけるひねりを加えた腹筋を行う、腹筋はせずランニングなどの有酸素運動をする日を設定するなど、同じ部位にかかる負担が集中しないようにします。
筋肉痛がある時は無理に腹筋をせず、筋肉を休ませて修復できるようにすると筋肉が傷つき過ぎるのを防ぐことができます。また、「日曜日はトレーニングしない」など、完全に筋肉を休ませて睡眠もしっかり取れる日を作れるとベストです。
注意点②反動を利用して行う腹筋は意味がない
腹筋の回数ばかりに気を取られていると、楽に素早くできるため、知らず知らずのうちに反動を使って腹筋をしている場合がります。反動を利用してしまうと、腹筋をしても筋肉が正しく刺激されません。継続時間や回数よりも、強い負荷をかけて質の高い腹筋を行うことが大切です。
たくさん腹筋をしたのに疲労感や筋肉の張った感じがなければ、実は反動を利用して負荷があまりかからない腹筋をしてしまっている可能性があります。筋肉に意識を集中し効率的に鍛えましょう。
注意点③フォームに気を付ける
筋肉を適切に刺激するためにも正しいフォームで腹筋を行うことが大切です。また、正しいフォームはケガの予防にもつながります。たとえば、上体を起こす基本的な腹筋を行う場合には、上を向かずに常にへそを覗き込むようにして行うのが正解です。上を向いていると首を痛めるリスクがあります。
また、腕で上体を起こそうとしないこともポイントです。腹筋の力だけで起き上がるようにすることで、腹筋が効果的に刺激され、かつ、首を痛めるリスクを減らせます。しかし、腹筋の力だけで起きようとすると起き上がれないという場合もあります。その場合は、肩甲骨を浮かすだけでも腹筋運動になります。
何となく形をマネするのではなく、どこの筋肉に刺激を与えたいのかを考えながら意識を集中してトレーニングを行うことが大切です。無理をし過ぎないように、また、楽をしてしまいフォームが崩れてしまっているということがないように気を付けましょう。
正しい知識を持って効率よく腹筋トレーニングを行いましょう
腹筋運動は誰でも思いつきやすい筋肉トレーニングですが、普通の腹筋運動だけではカロリー消費には直結しません。有酸素運動や食事のコントロールなどを組み合わせて体全体を意識して引き締めていきましょう。
ただし、適切な腹筋運動はポッコリお腹に効果的です。正しい知識を持って効率よくトレーニング行い、引き締まった体を手に入れましょう!