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Queen of 英国紳士靴。「エドワードグリーン」は後ろ姿が美しい。
ジョン・ロブがKing of 英国靴であろうことに異論はないでしょう。であればエドワードグリーンの存在はQueenではないかと、その艶やかさから感じるのです。フォーマルやオンの席上では黒のジョンロブを。気分を変えたい、やわらげたいシーンではエドワードグリーンのブラウン。この2アイテムが基本にあれば間違いはありません。今回はブラウン推しで。
エドワードグリーンから、成熟したエロティシズムを学ぶ。
https://www.instagram.com/p/Bin7uYtHkS5/?hl=ja&tagged=edwardgreen
意外かも知れませんが、女性は男性の靴の後ろ姿、かかとやヒールカップをよく観察しているらしいです。ヒールカップが外側に大きくすり減ってしまったり、履き口部分がつぶれたように歪んでいると、いくら気合の入ったスーツを着ていてもそれで値踏みをされる危険性があるのです。
階段やエスカレータでは、目の前に靴の後姿がさらされます。また靴を脱ぐと、その姿があらわになります。お店などで係の方に委ねるとなると、さらに・・・です。ですから日頃のメンテナンスや、靴の履き方(大義がらず、靴紐を緩め靴ベラを使うべし)のほかに、後姿のフォルムが美しい靴を選ぶというのも大切です。
http://resh.niiblo.jp/e464631.html
材質や木型の違いがあって一概には言えませんが、エドワードグリーンの後ろ姿は美しい。いや艶めかしささえ醸しだしていると感じます。適度なボリュームで張り出し、足首を支えるようにすっと細く立ち上がります。成熟した女性のヒップラインさえイメージさせてくれます。
https://strasburgo.co.jp/brand/edwardgreen/item/STB0118A0045?areaid=ebA0009
しかも足入れすると、一度息を吐きだすように拡がり、紐を結ぶと適度な強さで引き締めにかかります。まるで呼吸しているよう。イタリア靴の陽気な色気とは違う、デザインやフォルムは控えめながらなエロティックな靴なのです。その存在は寡黙な印象の英国靴の中で異質、いや異端なのかも知れません。
苦労と苦悩の連続 エドワードグリーンは荒波を乗り切った。
1890年、英国靴の聖地ノーザンプトンで、3人の息子たちと共に紳士用の靴を作る小さな工房が始まりでした。ポリシーは「できる限りの上質を求める」ということ。真摯に製作に打ち込むうちに、履き心地の良さが評判となり、「英国でも稀代の才能ある職人」という名声を得るようになります。
しかし、第二次世界大戦が終わった1950年代以降は、様々な産業で淘汰が進み、エドワードグリーンもその波を被ってしまいます。1979年、アメリカ企業に売却されると、倒産寸前まで追い込まれてしまいます。
企業再編という苦労
http://www.mens-ex.jp/brand/shoes/edwardgreen/history.html
しかし、そのような窮状を救ったのは、イタリアでシューズデザイナーをしていたジョン・フルスティックという人物。彼は、思い切った価格て買収することで、エドワードグリーンの再建に取りかかりました。彼こそが、現代のエドワードグリーンの基盤を築き上げたその人だったのです。英国とイタリアの血が見事に混じり合いました。
創業のポリシーに立ち戻り、クオリティーの追求と履き心地に血を注ぎました。また、ラルフローレンやブルックスブラザーズなど有名ブランドの靴のOEM生産を請け負うなど経営的な手腕も振るいます。
エルメスとの交渉難航 苦悩から復活へ
http://uptowndandy.blogspot.jp/2012/03/evolution-of-last-edward-green-from-to.html
1995年には、エルメスがエドワードグリーンの技術力の高さに目を付け、買収の交渉を提案します。折よくフランスへの進出を願っていたエドワードグリーンは同意、エルメスと手を組みます。しかし交渉はうまくいかず、自社株を失うことになりました。
会社や工場だけでなく、木型などの財産も失う事になってしまいました。しかし、新たなファクトリーを立ち上げに取り掛かります。それを支えてくれたの職人たちでした。そして木型などの新たな財産づくりに着手します。さらに2004年からはトニー・ガジアーノがデザイナーに就任、本格的な復活に至っています。
定番のアイテム紹介
https://www.imn.jp/post/108057198326
ここでは敢えてブラウン推しで紹介します。と言っても多くは同デザインでブラックも用意されていますのでそちらをお選びいただくのもありです。お値段もはりますのでサイズ選びが大切です。出来ればお店で計測してもらい、履きならしも見据えたサイズ選びを相談していただくのがお勧めです。
名品 DOVER(ドーヴァー)
エドワードグリーンの名品と言えばドーヴァーまたは後述するチェルシーが挙げられます。多くの解説にもあるようにU チップでありながら、なんとも言いがたいエレガントさが残っています。このモデルの後ろ姿もヤバいです。
もうひとつの名品 CHELSEA(チェルシー)
上記のとおり、もう一つの名品と言えば、このチェルシーを挙げる方が多いと思います そして定番は黒でしょうね。しかしここでは敢えてブラウンというよりもバーガンディと言ったほうが似合うかも知れません。この色を選ぶことでコーディネートの幅が広がります。
秋冬の装いに RAVENSTONE (ラヴェンストン)
画像はブラウンスエードですが、スムースレザーの黒やブラウンも展開しています。タイトルに書いたようにこれがあれば辛い秋冬の季節も乗り切れるというものです。打ち込みの強いツイードやデニムとの相性がよろしいと思います。
軽快な DUKE(デューク)
アメリカやフランスのローファーとは違います。むしろイタリアのデザインをイギリス的に解釈した結果?しかしトゥのラウンド感はとてもクラシックです。これも黒ではなくブラウンで攻めることで広がるファッションを楽しみましょう。
エロい美しさ INVERNESS(インヴァーネス)
メダリオンのレイアウトに息を呑むほどの美しさ、いやエロさを感じます。そうした視点で見れば、素材の醸しだす淫靡な息遣いに身動きが取れないほど。大切に扱わないと、どんな仕打ちが待っているか怖いほど魅惑を感じます。
変わらないもの、変わり続けるもの エドワードグリーンの進化は止まらない。
提案があります。もしエドワードグリーンを購入してみたい、まずは下見に行ってみようかと思うならば是非おひとりで行って欲しいのです。奥様やパートナーと一緒には行かないことをお願いしたい。心配なのは女性ならではの勘が働いて、エドワードグリーンのエロティックな魅力にやきもちを焼くことなのです。
彼女たちは、その魅力を女性ならでの感受性で理解しています。共感さえ覚えているはずです。だから許せない。まずは反対すると思います。良く分かっていると思いますが、そうなってからの修復は難しいですよ。だから一人でひっそりと手に入れるに限るのです。
https://www.imn.jp/post/108057194800?page=2
クラシックな意匠を残しながら、エドワードグリーンはモダンに進化しています。だからと言って昔手に入れたものが古くこともありません。いつの時代でも、未来永劫そのポジションに変化はありません。焦らず、ゆっくり手に入れましょう。前述のとおり女性陣の目線をうまくかわして。
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